George R.R. Martin氏は人気小説シリーズ「氷と炎の歌」の執筆をまだ完了してはいないが、同作品が紙面をにぎわせている。Martin氏を含む17人の作家と全米作家協会は米国時間9月20日、OpenAIが同氏らの作品の著作権を侵害したとして、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に訴状を提出した。自分たちの作品が「ChatGPT」を支える人工知能(AI)技術のトレーニングに使われたと訴えている。
原告には、Martin氏に加えて、John Grisham氏、Jodi Picoult氏、Scott Turow氏、Michael Connelly氏、Elin Hilderbrand氏など、著名な作家も名を連ねている。
訴状によると、原告らの作品がオンラインの海賊版電子書籍リポジトリーからダウンロードされて、ChatGPTを支える「GPT 3.5」と「GPT 4」にコピーされたという。訴状にはさらに、ChatGPT技術の開発元であるOpenAIは、同製品の使用によって「多額の利益を上げると予想される」とも記されている。
訴状に名を連ねる作家らは、著名でおそらく裕福だ。しかし、全米作家協会によると、フルタイムの作家が2022年に得た収入の中央値は2万ドル(約300万円)をわずかに超える程度で、つまり、作家の半数の年収はそれよりも低いという。
OpenAIの担当者は米CNETの取材に対し、同社はクリエイターと対立するのではなく協力する意向だと電子メールで述べた。
「世界中のクリエイティブプロフェッショナルが、創作活動の一環としてChatGPTを利用している」とこの担当者は述べ、「当社は作家や著者の権利を尊重し、そうした人々がAI技術の恩恵を受けるべきだと考えている。全米作家協会を含む世界中の多くのクリエイターと生産的な対話をして、AIに関する懸念を理解し、議論するために協力的に取り組んでいる」とした。
訴状では、ChatGPTがすでに人間の著者の作品を模倣した書籍を作成していることに触れ、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作である「氷と炎の歌」の第6巻と第7巻を作成しようとした最近の試みや、AIで作成された多数の書籍がAmazonで販売されていることを指摘している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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