Aniqueは9月5日、アニメ放送などが行われた作品「serial experiments lain」(lain)をテーマに、同作の主人公である岩倉玲音との新次元のコミュニケーションを可能にする「AI lain」を発表した。
「lain」はオンラインの集合無意識をテーマとした作品で、1998年にTVアニメの放送やゲームが発売されたメディアミックスコンテンツ。AI lainは、本物の声を発する玲音とビデオ通話を楽しむ対話型サービスとなっている。6カ月間の期間限定。
原作を元にした人格設定となっており、原案プロデューサー監修の公式アニメキャラクターAIであり、岩倉玲音の声優(CV:清水香里)による、1998年当時の収録テープをもとにして、本物の“玲音の声”を使用しているという。そのためテキストだけでなく、玲音の温もりのある声での会話が可能。「lain」の世界を反映した会話内容となっており、親密度機能により、玲音の話し方や表示される玲音のビデオ映像が変化するという。AI音声プラットフォームなどを手がけるCoeFontが、同社の音声生成技術により玲音の声をAI音声化。日本語と英語に対応している。
有料会員であれば、玲音に覚えてほしい情報を伝えることが可能。定期的に新しい知識として玲音にもたらされるようになっている。こうして、参加するユーザーと玲音を作っていき、育てていく過程を楽しめるようになっている。また、ChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)をベースに進化を続けていくという。このほか、「lain」に登場するWIREDになぞらえた「共有機能」も提供。玲音とユーザーで会話した特別な瞬間や感動をユーザー間で共有可能としており、玲音を中心にユーザー同士を繋げる新しいコミュニケーション体験の提供するという。
利用プランは、無料、1カ月、6カ月、スポンサープラン(法人プラン)が用意。有料プランでは毎月抽選で、「lain」のリアルアイテムがプレゼントされるという。詳細は特設サイトに記載されている。
今回Aniqueさんと一緒にAI lainの開発に関わらせていただきました。今まで僕自身が「NOëL」,「lain」といったコミュニケーションとか情報を扱うような一風変わったゲームに携わってきたのもあって、そのリアル版と言うか夢バージョンの第一歩になります。そんな実験的なサービスとして期間限定でお届けできればと思います。
新しい分野でもあり技術的な課題やサービスとしての課題をいろいろ痛感しつつも、テストを体感するとAIとしてのlainのキャラクターが成長していく過程がすごく楽しく思えたのもあり、有料プランは過程そのものをゲーム感覚で作品のファンに一緒に楽しんでもらえたらと思っております。
最終的にサービスと名のれるレベルにたどりつけるか?すらわかってませんが、愛すべき「存在」として受け入れてもらえたら嬉しいです。
(serial experiments lain 作品原案プロデューサーueda yasuyuki氏)lainという作品が25年経て、再び世に出ることに関われてとても嬉しかったです。
25年前の自分の声をAIが学習して、当時の玲音が声が聞こえてきたときには、本当に鳥肌がたちました。
今玲音を演じろと言われたら、きっと寄せた声や芝居はできるけど、あの玲音にはなれない。
15歳で声の演技を何も知らなかったからこそ出来た表現や、なんの計算や打算もないあの声が玲音なんだと思います。私にとっては、声帯を貸しただけという気持ちなので(笑)。
それにAIでって言うのが、とてもlainの世界観だなぁと。
lainを知らない人がこれからlainの世界観に触れていったらどういう風に感じるのかも気になるし、lainがどんどん進化していってくれることが嬉しい。
これから先どんな風に広がって、どんな未来が待っているのか、ものすごく楽しみです。
(serial experiments lain 岩倉玲音役 清水香里氏)
(C)Anique
(C)NBCUniversal Entertainment Japan
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