日本ウェルビーイング推進協議会(Promotion Council for Well-being in Japan:PCW)は、主催する人材育成プログラム「TUNAGUプロジェクト」における2023年度実施の事前研修と、実地研修の日程が確定したと発表した。
10月に3日間で合計7時間のオンライン事前研修を実施後、11月から2024年2月までの期間、合計15日間の実地研修を実施する。また、実地研修終了後1カ月以内に、3日間合計7時間のオンライン事後研修を実施する予定だ。
時代と世代を超えて受け継がれてきた一次産業(農林漁業)は、少子高齢化に伴う農山漁村の人口減少、人材・後継者不足を背景に、地域の活力低下や過疎化が懸念されている。
TUNAGUプロジェクトでは、これら地域の課題と、コロナ禍の影響による価値観の変化を経て向上する都会で働く人たちの地域への関心の高さ、一次産業の体験がもたらすウェルビーイングの向上や人材育成への効果に着目。PCW 代表理事、YeeY 共同創業者/代表取締役、アステリア CWOなどを務める島田由香氏が主宰する、「一次産業ワーケーション」を切り口とした農林水産省の補助事業となる。
後援として和歌山県みなべ町・すさみ町、石川県能登町、福井県高浜町の3県4地域が参加し、各研修を通して多様な人材が地域で活躍する場の創出、関係人口の増加を目指している。
2023年度は、実地研修時に発生する宿泊代(以降、価格はすべて税込)を、1泊8500円(12泊で10万2000円)まで補助する。また、実地研修時に発生する往復交通費も、1回あたり3万6000円(3回計10万8000円)を補助する。そのほか、研修時の通信費や飲食代などを除いた研修の自己負担額(研修参加費)は、トータル金額の約10%となる7万8000円。なお、研修自己負担額は2024年度以降は変更する予定だ。
2023年度のプロジェクトの参加申し込みは、10月2日の13時00分までで、定員は各地域10人ずつ、計40人。「日本国籍を有する応募時点で18歳以上」「15日間の実地研修に現地で参加できる」「研修プログラムにコミットできる」などが応募条件となっている。なお、実地研修15日間の内訳は、3泊4日が2回、6泊7日が1回で、地域は日程ごとに3県4地域から任意で選択できる。
参加は必須条件ではないが、プロジェクトに先立ち、オンライン説明会も実施する。これまで実施した5回のオンライン説明会に加え、8月31日から9月30日までの間にオンライン説明会を4回実施する。また、対面式の事前説明会「『一次産業とウェルビーイング』を肴にゆるっと飲む会」を4回開催する。
和歌山県みなべ町は、人口約1万2000人で、2015年12月には江戸時代から400年以上続く「みなべ・田辺の梅システム」が世界農業遺産として認定されている。梅作業や二ホンミツバチの実態を通じた梅システムが学べるほか、紀州備長炭製炭士から備長炭の歴史や作り方を学ぶプログラムを予定するという。
和歌山県すさみ町は、人口約3700人で、農林漁業と観光が主要産業となる。漁業作業を中心に漁師と時間を共有しながら、漁業の現状について理解を深めるプログラムを予定する。
石川県能登町は、人口約1万5500人で、2011年6月に「能登の里山里海」として、世界農業遺産に認定されている。木こり作業や、里山・里海を学ぶプログラムを予定する。
福井県高浜町は、人口約1万人で、アジアで一番きれいなビーチの国際環境認定「ブルーフラッグ」を取得。温暖な気候と変化に富んだ自然が特徴で、漁業作業や農林漁業6次産業化へ向けた取り組み視察、食品加工・販売サポート学習などのプログラムを予定する。
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