NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は8月1日、2023年夏モデルのPCを発表した。
「キューハチ」の愛称で親しまれた「PC-9801」の発売40周年を記念した4000台限定のアニバーサリーモデル「LAVIE NEXTREME Infinity」のほか、オールインワンノートブック「LAVIE N15」、コンパクトノートブック「LAVIE N14」、ゲーミングデスクトップ「LAVIE Direct GX」、超コンパクトデスクトップ「LAVIE Direct DT Slim」、計5シリーズを展開。同日から順次発売する。
NEXTREME Infinityは、型番が「XF950/GAB」で、「LAVIE」のノートPC史上最高峰のパフォーマンスを追求したというフラッグシップモデル。史上最速のパフォーマンス、最上のディスプレイ、最高のキーボードに、史上初の新機能を加えて展開するという。
NECパーソナルコンピュータ 執行役員 河島良輔氏は、「NEXTREME Infinityは外付けdGPU搭載モデルとなるが、(dGPU搭載モデルは、)ゲーミング、クリエーションへのニーズだけでなく、普段使う“長く使える良いPC”としてのニーズも高い」という。ゲームやクリエーターだけでなく、ハイパフォーマンスを求める全てのユーザーがターゲットになると説明した。
加えて、「キューハチの復元ではなく、現在最高のPCを作るとしたらどうなるか、を突き詰めた。キューハチ要素はあえて、完全に意識せず、今ベストな製品を作った」と続ける。昔からのキューハチファン、現代でハイパフォーマンスを求めるユーザーの双方に勧めたいとアピールした。
本体サイズは高さ19.9~30.9mm×幅359.8mm×奥行き254.1mm、重さは約2.5kg。カラーは「アルマイトブラック」で、OSは「Windows 11 Home」。インテルの第13世代CPU「Core i7-13700Hプロセッサー」や、GPU「Arc A570M グラフィックス」、16GBのDDR5メモリー、約1TBのSSD(PCle)を搭載する。
解像度は16対10で3840×2400ドット、16.0型ワイドのスーパーシャインビュー有機ELディスプレイを採用。インターフェースは、「Thunderbolt 4(USB4 Gen 3×2)Type-C」が1つ、Type-Aが2つ。そのほか、SDメモリーカードスロット、HDMI出力、ヘッドフォンマイクジャック、有線LANコネクターを1つずつ備える。
本体を傾斜させつつ、キーの配置や上部のへこみなどを指の動きに合わせたエルゴノミクスキーボードを採用。長時間の入力でも疲れにくく、タイプミスが起こりにくいという。
また、LAVIE史上で初めて、「バイオレットライトLED」と、「バ美肉」機能を搭載する。
バイオレットライトLED機能では、慶應義塾大学医学部発ベンチャーの坪田ラボが保有する、同ライトに関する知的財産権を初めてPCに活用。ディスプレイ上部から波長360~400nm(ナノメートル)で紫色のバイオレットライトを発光し、屋内ではカットされてしまう太陽光に含まれる、健康によい効果を生む可能性のある光の波長を受けられるという。
慶應義塾大学 名誉教授で、坪田ラボ 代表取締役社長 坪田一男氏は、「バイオレットライトは、メガネ型の機器による近視への研究から開始した。小学生40人のパイロット研究で安全性と効果を検証済みで、現在は160人、2年間の臨床研究を実施している。医療機器としての開発を目指しおり、慶應義塾大学の精神・神経科学教室、眼科学教室の共同研究では、うつ病のマウスや認知症にも良いということがわかってきた。(NEXTREME Infinityに搭載したバイオレットライトは、)医療機器ではないので“治る”とは言えないが、外に出なくても良い光環境を得ることができる」と説明した。
なお、太陽光におけるバイオレットライトは夜は発生しないため、NEXTREME Infinityを夜間に使う場合はバイオレットライトLED機能をオフにすることを推奨している。
もう1つの新機能となるバ美肉機能は、“バーチャル美少女受肉”の略で、バーチャル空間を美少女アバターとして活動できるVTuber機能。
具体的には、「はじめてガイド」「3tene FREE」「Voidol2」「OBS Studio」の4つのガイドアプリを用意し、VTuber活動が誰でも開始できるという。
加えて、キューハチがLAVIE NEXTREME Infinityとして現代に転生するマンガ「PC-98が転生したら性能Infinityでした!?」を、8月7日に公開する予定だ。
NEXTREME Infinityの価格はオープンだが、想定価格(以降、価格は全て税込)は27万4780円。8月3日に発売し、「NEC Direct」ではカスタマイズもできるという。
NEXTREME Infinity以外の2023夏モデルは4シリーズ。うち1つは、個人向け15.6型スタンダードノートPCとして展開するLAVIE N15で、「N1575/GA」「N1570/GA」「N1535/GA」の型番を用意する。
スーパーシャインビューLED IPS液晶ディスプレイを搭載し、「AMD Ryzen 7 7730Uプロセッサー」や、インテルの第11世代CPU、光学ドライブ搭載モデルなどを選択できる。発売日は8月10日で、想定価格は、N1575シリーズは21万9780円、N1570シリーズは18万6780円、N1535シリーズは15万3780円。
モバイル用途にも適した個人向け14.0型ワイドのノートPCとして展開するLAVIE N14の2023年夏モデルは、「N1475/GA」「N1435/GA」の型番を用意する。
スーパーシャインビューLED IPS液晶ディスプレイを搭載し、「Core i7-1255Uプロセッサー」「Core i3-1215Uプロセッサー」などのインテルの第12世代CPUを選択可能。ポート類も豊富で、快適に作業できるという。発売日は8月3日で、想定価格は、N1475シリーズは20万8780円、N1435シリーズは16万4780円。
LAVIE Direct GXは、NEC Direct専用モデルのゲーミングデスクトップ。受注開始日は8月1日で、販売価格は14万円から。「Core i7-13700Fプロセッサー」「Core i5-13400F」といったインテルの第13世代CPUを選択でき、「NVIDIA GeForce RTX 3060」「NVIDIA GeForce GTX 1650SP」の2種類のグラフィックスをサポートする。「Xbox」のゲームコントローラーやヘッドセットなどを同梱でき、購入したその日からゲームを楽しめる。
LAVIE Direct DT Slimは、NEC Direct専用モデルで約1LサイズのコンパクトデスクトップPCで、新型ディスプレイと組み合わせれば背面にPC本体を設置できる。受注開始日は8月1日で、販売価格は13万1000円から。「Core i7-13700Tプロセッサー」「Core i5-13500T」「Core i3-13100T」といったインテルの第13世代CPUを選択可能で、PC本体のみから、ディスプレイ2台セットまで各種モデルを用意する。
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