Metaは米国時間7月18日、同社の大規模言語モデル(LLM)の次世代版である「Llama 2」が、Microsoftとの提携の下、無料で商用利用できるようになったことを発表した。
LLMは、OpenAIの「ChatGPT」や、Googleの「Bard」といった生成型の人工知能(AI)チャットボットを支えている。Microsoftは2023年に入り、AIを活用した「Bing」の提供を開始しており、これには「GPT-4」が用いられている。
Microsoftは今回の提携により、「Azure」クラウドコンピューティングサービスと「Windows」上で、Llama 2へのアクセスを提供する。ただしLlama 2は、Amazon Web Services(AWS)をはじめとする他のプロバイダーのサービスを通じても提供される。
Llama 2はオープンソース化されており、無料で研究目的や商業目的で利用可能だが、Microsoftのエンタープライズホスティングサービスに対する使用料の支払いは必要だ。
Metaは発表に「われわれは今日のAIモデル、特に生成型という分野におけるモデルの発展にとって、オープンなアプローチが適切だと確信している(中略)AIモデルがオープンなかたちで利用できれば、皆が利益を享受できるようになる」と記している。
また同社は、LLMが無料かつオープンであれば、多くの研究者や開発者によって負荷テストが実施できるとともに、より早期に問題を発見し、解決できるようになるため、LLMは「より安全」になるとも記している。
Qualcomm Technologiesも、スマートフォンやPC上でLlama 2を活用したAIの実装を2024年より提供すべく、Metaと協業しているという。
Qualcommは18日の発表に、「これにより顧客やパートナー企業、開発者は、インテリジェントなバーチャルアシスタントや生産性向上のためのアプリケーション、コンテンツ生成ツール、エンターテインメントといったさまざまなユースケースを生み出せるようになる。『Snapdragon』がもたらす新たなオンデバイスAIエクスペリエンスにより、携帯電波の届かない場所や、機内モードであっても作業が可能になる」と記している。
同社の「Snapdragon 8 Gen 2」は現在、サムスンの「Samsung Galaxy S23」シリーズに搭載されている。またQualcomm製プロセッサーはその他のさまざまなスマートフォンやコンピューターブランドで採用されている。
Metaによると、「Llama 1」は2月の公開以来、アクセスのリクエストが10万件を超えているという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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