生成系人工知能(AI)ツールは多くの面倒な作業を簡単にしてくれる。就職活動もその1つだ。「ChatGPT」のようなAIチャットボットを使えば、履歴書、カバーレター、レポートなどを数秒で作成できる。
しかし、AIに任せられるからといって、そうすべきだとは限らないことを示す研究結果が発表された。
「Talent Cloud」プラットフォームを運営する人材スカウト会社iCIMSは先ごろ、大卒者が自分のキャリアで期待していることを分析し、その内容を人事担当者や雇用主の期待と比較した「Class of 2023」レポートを公開した。
ChatGPTの人気が高まったのは、調査対象となった大卒者がちょうど4年生だったときだ。その結果、この年次の学生たちの就職活動への取り組みはChatGPTの影響を受けることになった。
調査に参加した米国の大学4年生1000人の半数近く(47%)が、履歴書やカバーレターを書くためにAIチャットボットを使うことに興味があると回答した。さらにはZ世代と呼ばれる回答者の25%がそのような目的でAIを使用したことがあると答えている。
「(ChatGPTのような)生成AIボットは、応募者と雇用者の双方にとって、生産性を向上し、より良いコミュニケーションを実現してくれる可能性がある」と、iCIMSの最高技術責任者(CTO)Al Smith氏はレポートに記している。
一方、調査に参加した人事担当者500人の40%近くが、就職活動でAIを使用した人は間違いなく採用選考から除外すると答えていた。
もっとも、現時点では信頼性の高いAI検出システムが存在しないことは、指摘しておくべきだろう。応募者がAIの生成した文章に対し、自分の人となりが反映されるようきちんと確認して編集している限り、人事担当者はAIの助けを借りて作成された応募書類と、100%人力で作成された応募書類との違いを見分けられないはずだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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