バーチャルカメラアプリ「xpression camera」を提供するEmbodyMeは10月26日、声だけで「カメラON」のウェブ会議に参加できる新機能「xpression camera Voice2Face」をリリースした。家事や子供の面倒を見ながらビデオチャットに参加できる。
xpression cameraは、「Zoom」や「Teams」「Google Meet」などで利用できる、macOSおよびWindows向けのバーチャルカメラアプリだ。
同アプリでは、ディープフェイクでも用いられるニューラルネットワークの技術を活用。自分のスーツ姿の画像を1枚用意するだけで「寝起きのパジャマ姿でも、相手にはスーツ姿の自分が表示される」といった機能をこれまでに実現してきた。
今回、これを進化させた。従来はカメラで顔の表情を読み取って映像を生成していたが、新機能では音声から完全に映像を生成できるようにした。これによって、好きな写真を1枚用意するだけで、声だけで「カメラON」のウェブ会議に参加できるようになった。
「カメラがなくてもビデオチャットできる。どんな状況でも、例えば子供の面倒を見ながら、洗濯物を干しながら、ジョギングしながらでもビデオチャットができる」とEmbodyMeの代表取締役社長、吉田一星氏は話す。子育て世代のリモートワーク疲れも軽減できるという。
ディープフェイクと同じ技術を用いることから悪用の懸念もある。現時点ではロゴの挿入、およびアカウント登録の必須化によって対策しているほか、今後は電子透かしの導入も予定している。
さらに新機能として、相手に映るバーチャルの自分でリアクションを返せる機能も追加した。「LINEスタンプ」のように、対面のコミュニケーションでは実現できないデフォルメされた感情表現がワンクリックで可能だという。
なお、人だけでなく動物、実写だけでなくイラストや漫画、アート画像からの映像生成にも対応する。テレビやアニメ、YouTubeライブ配信といった、映像全般の幅広い市場で同アプリを活用できるという。「Stable Diffusion」のようなAIで自動生成した画像にも対応する。
xpression cameraは7日間は無料で利用可能で、その後すべての機能を利用するには8ドルの月額料金が必要だ。現時点でユーザーの95%は海外で、日本のユーザーは5%ほど。また、ユーザーの一番多い米国でもその比率は10%以下で、世界中にまんべんなくユーザーが散らばっている状況だという。
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