Metaの日本法人であるFacebook Japanは9月9日、ARエフェクト作成ツール「Spark AR Studio」の使い方を無料で学習できるオンラインプログラムを公開した。「メタバースの実現には人材育成が不可欠」だとして、コンテンツ産業が盛んな日本でXR人材の育成に力を入れる。
「Spark AR」はMetaが提供するARエフェクトの総称で、Spark AR Studioを利用することで、誰でも独自のARエフェクトを作成できる。しかし、同ツールを使いこなすには一定以上のスキルが必要であるため、Metaでは同ツールの使い方を1から学べるオンラインプログラムを無料で提供する。
同プログラムは「Meta Blueprint」で順次公開される。同サイトにアクセスすれば誰でも無料で学習できる。当初は初心者向けのプログラムを提供し、順次プロ向けなど、学習者のレベルに合わせた内容を提供する。また、日本のクリエイターが実際に作ったコンテンツを例にしながらカリキュラムを構築していく。
あわせて、学校法人 角川ドワンゴ学園との提携も発表した。同提携では、同学園が運営する「N高等学校」や「S高等学校」の学生と連携し、VRやAR、MRに関するイベントやワークショップを開催する。Facebookではこれらの取り組みを、「次世代XRクリエーター向け教育プログラム 『Immersive Learning Academy』」と称し、今後も日本でのXR人材の育成に力を入れるという。
Facebook Japanで代表取締役を務める味澤将宏氏は、Meta自らが日本でXR人材の育成に乗り出す理由について「日本は『Meta Quest 2』の販売台数でも世界トップの国の1つ。アクティブユーザーの数も非常に多く、メタバースの市場として魅力がある。そして、日本には非常に優秀なXRのディベロッパーが多く存在し、日本からのコンテンツも続々と発売されている。Metaにとって非常に重要なマーケット」と語った。
また、Meta アジア太平洋地域 公共政策総括のSimon Milner氏は「日本の開発者コミュニティは世界をリードしており、今後もXR業界とメタバースの実現に重要な役割を果たすと信じている」とコメント。また「メタバースは2031年までにアジア太平洋地域に1兆ドルの経済効果をもたらす」と述べたうえで「メタバースを実現するためには、人々が質の高いスキル構築のためのリソースにアクセスできることが重要」とした。
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