TSUTAYAが書籍の返品率を低減--フライウィール、需要管理サービス「Conata Demand Planner」

 フライウィールは6月21日、データ・AIから個店の最適な品揃えと在庫適正化を支援する需要管理サービス「Conata Demand Planner」の提供を開始したと発表した。

 同サービスは、顧客内のあらゆるデータを準リアルタイムに活用し、個々の店舗に合わせて最適な品揃えと適正在庫を提案するのが特徴。過去の発注データがない新商品についても、カテゴリやメーカー、商品説明などと購買データを組み合わせ、過去の類似商品の販売動向などから、個店における商品別の適正在庫について、高い精度で予測できる。


 また、商品や購買(ID-POS)データより、人・商品・店舗の関係性を把握しており、人が把握しきれない多くの商品の中から、来店者のLTV(LifeTimeValue:ライフタイムバリュー)を高める商品を導き出し、個店に合った品揃えを提案できるという。

 加えて、データ活用をするための基盤が整っており、Conataの他サービスであるプロモーションやレコメンド、検索サービスなどを簡易に導入可能。例えば、Conataの検索ソリューション「Conata Search」とシームレスに連携することで、商品検索にかかる時間を大幅に短縮できるとしている。

 これにより、製造業や卸売業、流通・小売業の企業は、課題であった個店ごとの利益率や在庫回転数の改善が期待できる。

 同社によると、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開するTSUTAYAの書店事業において先行導入しており、概念実証では一般的に30%以上とされる書籍の返品率を、13%まで引き下げることに成功。限りあるスペースを、更に有効活用できることを実証した。

 今後は、書籍などの販売を行うTSUTAYA約800店舗に順次導入し、書店事業の効率化を推進していく。

 なお、先行事例における成功のポイントは、データ活用にあるという。CCCでは、約7000万人の会員データ、約800店舗、約450万タイトルが組み合わさった多量なデータが保管されている。


 そこで、同サービスではまず、その多様かつ大量のデータを同社の独自技術(オントロジー技術など)でデジタル空間に再現し、意味や関係性を抽出できるように設定。そのデータから、AI(人工知能)が書店ごとに売れ行きを予測して、適正部数と品揃えを導き出した。

 さらに、CCC自動発注システムと連動させ、人手では困難だった「各書店のニーズに基づいて最適な量を最適なタイミングで配本できる仕組み」を新たに作り出している。

 今後は、Conataを通じて、企業のデータ利活用における困難な経営課題を解決しながら、データをエネルギーにできる世界を目指すという。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]