誤情報や偽情報が広がり続けているために何が真実なのか多くの米国人が確信を持てなくなっている現状について、テクノロジー企業やメディア企業が責任を負うべきだと、3人の専門家が米国時間6月9日に指摘した。
サンフランシスコで開催されたセキュリティカンファレンスRSA Conferenceのクロージングセッションで、非営利の研究機関であるアスペン研究所で情報の無秩序に関する委員会の共同議長を務める3人の専門家は、ニュースを得るためにソーシャルメディアに目を向ける人が増えていると述べた。TwitterやFacebookなどのプラットフォームは正当なニュースソースを提供しているが、その一方で嘘や陰謀論が確認されないまま拡散し、多くは無意識のうちにそうした情報に触れる人々の意見を形成する事態を許してしまっている。
アスペン研究所の情報の無秩序に関する委員会は、さまざまな分野の専門家十数名で構成されている。2021年11月には報告書を公表し、偽情報を広めた企業の説明責任を問い、地域のメディアに投資して消費者がより信頼できるニュースを入手できるようにするなどの措置を講じることで、現在の危機に対処するよう求める一連の勧告を行った。
米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)の元長官、Chris Krebs氏は、その後数カ月でいくつかの勧告が採用されたが、まだやるべきことがたくさん残っていると語った。
同氏は数千人のサイバーセキュリティーの専門家を前に「それは険しい道のりだ。即日解決できるような問題ではない」と語った。
9日には、公民権団体Color of Changeのプレジデントで、情報の無秩序に関する委員会の共同議長を務めるRashad Robinson氏と、ニュース番組「Today」 のホストを長年務めたKatie Couric氏を交えたパネルディスカッションが開催された。
Robinson氏は、誤情報、偽情報の拡散は、特に有色人種にとって懸念事項だと述べた。有色人種は、利益のために人種的分断を後押ししようとしている人々から、しばしばターゲットにされるという。同氏は聴衆に対し、こうした見方を政策立案者に知らせ、ハイテク企業に自社の行動の責任を持たせるよう促した。
同氏は「正面から立ち向かわなければ、ひっそりと負けることになるだろう」と語った。
メディア企業を経営しているCouric氏によると、事態は、消費者が情報を批判的に検討し、ソースを確認するかどうかにかかっていると述べた。そして、この消費者には子供も含まれており、メディアリテラシーは小学校から教育されるべきだという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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