Boeingの宇宙船「Starliner」が、乗組員なしの試験飛行で国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに初めて成功した。若干時間がかかったが、米航空宇宙局(NASA)のミッションコントロールセンターは太平洋時間5月20日午後5時28分にドッキングに成功したと正式に発表した。
今回のミッションは「Orbital Flight Test-2(OFT-2)」だ。Starlinerは2019年に初めてOFT(軌道飛行試験)を試みたが、ソフトウェアの不具合によりISSにドッキングできなかった。Starlinerは地球に無事帰還したが、NASAの航空宇宙安全諮問委員会(ASAP)はその後、「宇宙船の致命的な故障につながる可能性」があった2件目のソフトウェアの問題を飛行中に修正していたことを明らかにした。
NASAは「Commercial Crew Program」(商業乗員輸送プログラム)を通じてStarlinerに数十億ドルを投じているとされている。Starlinerは、NASAが最終的に宇宙飛行士をISSに送り込むために選んだ民間宇宙船2機のうちの1機だ。もう1機はSpaceXの「Crew Dragon」で、すでに宇宙飛行士をISSに送り込んでいる。
Onward! Here's the view from the @ULALaunch Centaur upper stage as the @BoeingSpace #Starliner began flying on its own, bound for the @Space_Station. pic.twitter.com/HNBMTCX3ut
— NASA (@NASA) May 20, 2022
Starlinerに投じられた多額の税金を別にすれば、Boeingの成功は別の理由からもNASAの利益になる。NASAは、宇宙飛行士の輸送においてCrew Dragon以外の選択肢を持つことで、2011年のスペースシャトル退役後に薄れつつあった存在感を失わずに済むからだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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