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スカウトDMや殺人事件まで--ライバー周辺で起きている事件とは

 「『ライバーになりませんか』というDMが3件も届いた」などという話がSNSで飛び交っている。ライブ配信市場が盛り上がり、事務所も多く立ち上がっている一方で、凄惨な事件も起きている。ライバー最新事情をお届けしたい。

伸びるライブ配信の「投げ銭」市場

 ライバーとは、動画配信サービスでライブ配信する人を指す。「17LIVE(イチナナ)」や「SHOWROOM」「Pococha」など、さまざまな配信プラットフォームがあり、視聴者からの投げ銭を収入源とし、ライブ配信だけで生活している人も増えている。

 YouTube解析サイトのPlayboardのデータによると、2021年に上位のライバーが受け取った投げ銭の総額は30億円となり、2020年の約20億円から約10億円増えている。

 TwitterやInstagramで、「ライバーになりませんか」というDMがきた人は多い。メッセージ上では、「副業感覚で稼げる」「配信するだけで時給がもらえる」などとあり、DMを受け取った人の中には、「怪しい」「絶対詐欺」「ライバーって何」など、驚いたり拒絶反応を示している人が少なくないようだ。

ライバースカウトDMが増えた理由

 スカウトを送っているのは、主に動画配信プラットフォームや、ライバー事務所など。どちらもライバーのスカウトやマネジメントなどを行うが、プラットフォームでの公式ライバーになる場合は、期間を決めた独占契約で、他のプラットフォームでは配信できなくなることがほとんどだ。

 ライバー事務所とは、その名の通りライバーが所属する事務所のこと。スカウトやマネジメントのほか、ライバーに対してファン獲得のコツを教えたり、配信用機器の貸し出しや、プライバシー確保のための住所の貸し出しなどのサポートもしている。

 コロナ禍でネット利用時間が伸び、ライブ配信市場も伸びている。それにともなってライバー事務所も500あまりから2000ほどまで増えているという。そのため、ライバーや潜在的なライバー候補者は奪い合いの状態となっており、スカウト合戦となっているのだ。自撮り写真を投稿していたり、SNSでアクティブだったり、動画を投稿していたりすると、スカウトされることがあるようだ。

スカウトは相手と契約内容を見極めよう

 スカウトがきた場合、当人も関心があれば受けるのもありだ。実在するライバー事務所などか、実績はどうか、所属するライバーや評判などを調べた上で、サポート内容や契約内容などを確認するといいだろう。やはり金銭面でトラブルにつながることが多いので、契約内容は特に吟味、比較するといいのではないだろうか。

 ライバーへのスカウトを怪しむ人が多いのは、SNSではタレントやモデル、インフルエンサーなどへのスカウト詐欺が多く見られるためだ。国民生活センターによると、登録料やレッスン料などを取られたり、中にはアダルトビデオへの出演を求められることもあり、注意が必要となっている。

 現状、ライバースカウト関連では詐欺行為は行われていないようだが、今後も出てこないとは限らない。必ず、相手を見極めて対応するようにしてほしい。

視聴者との距離感をとった配信を

 コロナ禍で収益が絶たれたアーティストなどが、ライブ配信を収益源とする例が増えてきた。そのようなメリットがある一方で、ライバー関連では事件も起きている。

 埼玉県越谷市で1月、ライバーの女性が視聴者の男から刺殺される事件が起きた。女性と男が事件前に会ったのはたった一度だけのこと。視聴者の男はライバーの女性を熱心に応援していたことが分かっており、一度女性を自宅アパートまで送っていた。

 交際しているような男の振る舞いに不安を感じた女性が、「配信者と視聴者の関係に戻ろうよ」と提案したところ、逆上した男が女性の自宅に押しかけて殺害してしまったのだ。男は「他の男のものになるなら、殺してしまおうと思った」と動機について語っている。

 女性は、投げ銭で支援してくれる男からの誘いを断りづらかったと考えられる。しかし、ライバーと視聴者は、いわばアイドルとファンのような関係だ。直接会ったり、自宅を教えたりすることで、相手を勘違いさせてしまった可能性がある。視聴者とは動画内やコメント欄でのやりとりをするにとどめ、DMや個人的に会うことなどはしない方が安心だ。本名や自宅などの個人情報も教えない方がいいだろう。

 ライブ配信では、動画内で犯罪行為を配信したり、度数の高いアルコールの一気飲みをするなどの問題も起きている。YouTubeなどと同じで、収益につながるため、注目を集めようと行動が過激化する傾向にあるのだ。また、未成年が勝手に高額課金してしまうこともあるので、その点でも注意が必要だ。

 ご説明したように、ライブ配信や投げ銭市場は拡大しつつある。一方、それにともなって問題やトラブルも起きている。また随時、最新情報をお届けしたいと思う。

高橋暁子

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。執筆・講演・メディア出演・監修などを手掛ける。教育出版中学国語教科書にコラム 掲載中。元小学校教員。

公式サイト:https://www.akiakatsuki.com/

Twitter:@akiakatsuki

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