Luupは4月23日、国内で初めてヘルメット装着が任意で公道を走行できる電動キックボードのシェアリングサービスを都内6区で開始した。経済産業省の「新事業特例制度」を利用し、同日に実証計画の認可を受けたことで、実証実験という形でサービスを提供する。服装の面などからシェアサイクルを利用しづらかった女性ユーザーも取り込む。
公道を走るLuupの電動キックボード pic.twitter.com/yKS9dPWUT3
— 山川晶之 (@msyamakawa) April 23, 2021
同社では、電動シェアサイクルサービス「LUUP」を展開しているが、同サービスに電動キックボードを新たに導入する。利用可能エリアは、すでに展開している渋谷区、新宿区、品川区、世田谷区、港区、目黒区の全域。都内約300ポートのうち、約200ポートでキックボードの乗降が可能。まずは100台を設置し、順次追加する予定だ。利用料金は、実証実験特別価格として初乗り10分110円、その後1分ごとに16.5円が発生する。
電動キックボード自体は、これまでの実証実験で使用したものから改良されており、耐久性などが向上している。ハンドル部分には、片手運転を抑止するためのスマートフォンホルダー、背面にはナンバープレートと方向指示器が取り付けられている。道交法上の扱いは、原動機付自転車ではなく小型特殊自動車扱いで、最高速度は時速15km/hに制限される。今回よりへルメット装着が任意となったため、装着なしでも乗車可能だが、Luupでは安全面から装着を推奨。また、装着を義務付けていた前回の実証実験と比較して、安全性も検証する。
利用には、専用アプリから、運転免許証の登録と走行ルールの確認テストを受けることが必要となる(電動アシスト自転車は不要)。小型特殊自動車のため、二段階右折や歩道の走行は禁止されているほか、国道246号線など、車両の走行が著しく多いエリアについては、走行禁止道路に設定されている。なお、利用料金には、対物賠償、対人賠償、ユーザー自身の怪我をカバーする保険が含まれる。
キックボード自体の性能としては25〜30km/hまで出せるものの、先述の制約から最高時速15km/hに抑えられている。これは有識者検討会での議論を重ねた結果であり、歩行者を中心とした安全性を確保するためとLuup代表取締役社長兼CEOの岡井大輝氏は語る。ただし、例えば「大きな交差点で閉じ込められる」など、速度が出ないゆえの問題も出る可能性があるため、実証実験での定量報告などから、議論を進めたいとしている。
なお、同社では4月29日〜5月5日までのゴールデンウィーク期間中、渋谷区の宮下公園で安全講習会を開催する。
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