Joe Biden米大統領は米国時間1月21日、米連邦通信委員会(FCC)の暫定的な委員長代理に民主党委員のJessica Rosenworcel氏を指名した。Rosenworcel氏は委員を約8年間務めてきた。正式な委員長が上院で承認されるまでの間、委員会を統括することになる。
女性が委員長代理を務めるのは、委員会史上Rosenworcel氏が2人目となる。
Rosenworcel氏は2011年、当時のBarack Obama大統領にFCC委員に指名され、上院による承認後、2012年5月より委員となった。最も在任期間の長い委員となっている。
Rosenworcel氏は、ネット中立性の支持者であるとともに、FCCのブロードバンドカバレッジマップを改善してきた。また同氏は、いわゆる「宿題格差」の解消に向けた委員会の取り組みの強化を促している。コロナ禍で、米国の生徒や児童の多くがインターネットを利用し、リモートで学校にアクセスしているため、この問題が一層顕著になっている。宿題格差とは、学校や宿題にアクセスするための適切なブロードバンドサービスが利用できない生徒に関する問題を指す。特に地方や低収入世帯の生徒がブロードバンドサービスを利用できない、あるいは料金を支払えないことは根強い問題となっている。
Rosenworcel氏は21日、声明で「非常に重要なミッションを掲げ、優秀なスタッフに恵まれた委員会を統括する機会を与えてくれた大統領に感謝する。米国民に奉仕し、国民のためにこのデジタル時代における通信機会のリーチを拡大するために働くことを名誉に思う」と述べた。
業界団体や公益団体はRosenworcel氏の指名を歓迎しているようだ。Verizonは、Biden大統領が正式な委員長が指名されるまで委員会を率いる人物にRosenworcel氏を選んだことは「賢明な選択」だとした。
FCCの現在の構成を考えると、Rosenworcel氏は現時点で大きな政策上の問題について判断を下すことはできない可能性が高い。FCCの体制は現在、民主党委員2名、共和党委員2名となっている。つまり正式な委員長が任命されるまで、Obama政権時代のネット中立性規則の復活といった大きな課題に対処できない可能性がある。上院が、FCC委員に民主党員をもう1人承認すれば、民主党はより積極的な政策の議題を通す上で必要な過半数を獲得することになる。
Biden大統領がFCCの正式な委員長を任命するのか、また誰が任命されるのかは明らかになっていない。Rosenworcel氏を正式な委員長として指名する可能性も残っている。
一部の支持団体は、民主党委員Geoffrey Starks氏を次期FCC委員長に指名するようBiden大統領に働きかけているとみられる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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