神戸市長もフル3DCGアバターで参加--定例交流会「神戸のつどい」を仮想空間で開催へ

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 神戸市と神戸商工会議所は、毎年東京で開催している交流会「神戸のつどい」を仮想空間内で開催することを発表した。ゲーム開発技術をベースに開発されたVR空間プラットフォーム「XR CLOUD(エックスアールクラウド)」上に独自の仮想空間を構築し、招待者はそれぞれオンラインで会場に入り、アバターで交流する。

 「神戸のつどい」は、首都圏で活躍する神戸にゆかりのある人たちを招待し、市の主要プロジェクトや魅力を発信する交流会だ。毎年8月頃に東京のホテルで催され、2020年は東京オリンピックの影響で11月の開催を予定していた。だが、新型コロナウイルスの感染が長引き、延期するにしてもいつ開催できるかわからず悩んでいたところ、これを1つの機会と捉えて仮想空間での開催に挑戦することを決めたという。

 運営を担当する神戸市医療・新産業本部 新産業部 企業立地課総務グループ推進係長の石川貴美子氏は記者発表会で、「できるだけリアルに近い交流ができる方法として仮想空間を利用した開催方法を選んだ」と明かす。神戸市では12月にもバーチャル空間「VirBELA」でスタートアップのピッチ&交流イベントを開催しているが、今回は神戸に本社を構えるmonoAI technology(モノアイテクノロジー)が開発するXR CLOUDを選んだ。

神戸市医療・新産業本部 新産業部 企業立地課 総務グループ 推進課長の石川貴美子氏
神戸市医療・新産業本部 新産業部 企業立地課総務グループ推進係長の石川貴美子氏

 その理由について、神戸の会社が運営しているのもさることながら、多人数が同時に参加してストレスなくアバターを動かしてコミュニケーションできる点や、PCとスマホの両方でアクセスできる点など、プラットフォームとしての使いやすさを挙げている。

 XR CLOUDは、ゲーム向けに販売してきた独自の最高速通信エンジン“モノビットエンジン”をベースに、国内では最大規模となる1000人から10万人が同時接続できるという。フォートナイトのようにアバターをスムーズに動かすことができ、手をたたく、椅子に座る、おじぎするといった、いろいろなアクション(エモート)が使える。

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 ボイスチャット、テキストチャットに加えてカメラ撮影機能があり、登録したプロフィールを相手にメールで送る名刺交換機能も用意されている。2020年12月にアプリ版の提供を開始したのを機に、1月から本格的に大規模イベントなどでの利用が始まるという。

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 会見に出席したモノアイテクノロジー代表取締役社長の本城嘉太郎氏は、「接続機器の環境などの影響は多少あるが、場所を選ばず仮想空間にアクセスでき、大人数でも参加者全員にほぼ遅延なく情報が伝えられる技術はほかに真似できない特徴だ」とプラットフォームに対する自信を述べた。

 「バーチャルイベントが数多く開催されるようになったが、リアルと同じように話しかけるなどいろいろな方法でコミュニケーションでき、参加者の反応もその場でわかる。商談会や神戸のつどいのような交流をメインとするイベントでニーズが高いと見ている」(本城氏)

monoAI technology株式会社 代表取締役社長の本城嘉太郎氏
monoAI technology代表取締役社長の本城嘉太郎氏

 テンプレートを用いれば最短1週間でバーチャルイベントが開催できるが、今回はリアルな交流がしやすいよう、仮想空間に3つのエリアを設ける。1つは、2021年春に神戸阪急ビルのオフィスフロア最上階に開設予定の知的交流拠点「ANCHER KOBE」を再現する。イベント会場には担当職員が市の主要事業をPRするブースや、トークイベントを行うメインステージを用意。また、市長面談室では特別にフルキャプチャで制作されたほぼ本人に近い神戸市長・久元喜造氏の3DCGアバターと対話ができる。

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 ANCHER KOBEの仮想空間は約2カ月で構築され、モデリングも含め全体でかかる費用は700万円と、通常で同規模のバーチャルイベントを開催する場合より抑えられているという。

 「ニューノーマルの社会では仮想空間の利用が当たり前になり、今後イベントを開催する時にも同じ空間が使えるので、コストは妥当だと考えている。また、ノウハウが蓄積できるよう運営も外注せずチームで担当している。イベント会社と同じような仕事をしなければならないため、かなり大変だが、興味がある若い職員にも参加してもらい、今回の経験をもとに他でも仮想空間を利用するアイデアをどんどん出してもらうことにつなげたい」(石川氏)

 仮想空間で実施される「神戸のつどい」の開催日は2月12日で、すでに招待状は送られている。行政が実施する昔ながらの会でもあることから、事前に仮想空間の使い方を練習できる機会も用意し、600名ほどの参加を予定しているという。もし当日参加者が増えても対応できるのは、バーチャルイベントの利点かもしれない。開催に慣れて余裕が出てくれば、搭載済みのEC連携機能を利用して、リアルと同じような飲食の体験ができる方法なども考えたいとしている。

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