ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してその内容を伝える「flier(フライヤー)」。ITパーソンはもちろん、IT企業が社員教育の一環として福利厚生に法人利用しているケースが増えているという。この記事では、サービスを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、ITパーソンは今、どんな本に注目しているのかを2020年6~11月のランキング形式で紹介するとともに、ランクインした10冊をレビューする。気になった1冊があればぜひ、手に取ってほしい。
本書は、楠木建氏と山口周氏という気鋭の論者2人が、ビジネスにおける「センス」をテーマに語り合った1冊だ。
本書によれば、センスとは「具体と抽象の往復運動」だ。「センスがいい人」は、具体の問題を具体のまま置いておかず、抽象度の高いロジックに変換して、頭の中の引き出しにしまっておく。そして、場合に応じて、そのロジックを取り出して使っているというのだ。要するに、「センス」の正体は「ロジック」なのである。
この論理に従えば、「センス」は後天的に身につけられる。本書の後半でその具体的な方法が記されているので、「自分はセンスがないから」と諦めてしまっている人に、ぜひお読みいただきたい。
あなたは、「重要だが緊急でないこと」にも積極的に取り組めるタイプだろうか。いや、「次の週末は資格試験の勉強をしよう」「時間ができたらあの本を読もう」などと思っていても、実行には移せず後悔してしまう人の方が多数派だろう。
では、「重要だが緊急でないこと」を実行するためにはどうすればいいか。その疑問に答えてくれるのが本書である。本書で紹介されている朝1時間の行動習慣「モーニングルーティン」を実践するだけで、人生の「種まき」とも呼べる「重要だが緊急でないこと」を着実に実行できるようになる。
老若男女、学生であれ社会人であれ、人生を大きく変えてくれる1冊になるはずだ。
「昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です」――早寝早起きが得意な人にとっては、共感できるタイトルではないだろうか。朝活コミュニティ「朝渋」の代表を務める著者の井上皓史氏は、早起きで自らの人生を変えてきた経験を持つ。井上氏によると、早起きは、自分の時間をコントロールすること、すなわち「自分の人生を経営する」であるという。
あなたは、自分の人生を経営できているだろうか。もし「周囲に振り回されてしまっている」「忙しくて余裕がない」と感じているなら、ぜひ本書を手に取ってほしい。特に、「定時が遅いから早起きできない」「仕事の付き合いが多くて……」という方には、参考になる情報が満載である。
あなたは、ついつい「いい人」でいようとしてしまっていないだろうか。好かれたいと思ってもいない相手、顔を合わせたくないと思っている相手にすら、いい顔をしてしまっていないか。そしてそれが、癖のように、自分の身体にしみついてしまっていないだろうか。
著者の名取芳彦氏は、密蔵院の住職だ。真言宗豊山派布教研究所研究員をしながら、仏教に関わるさまざまな活動に携わっている。そんな著者は仏教的な視点から、「みんなに好かれなくてもいい」「誘いを断ってもいい」「縁を切ってもいい」と教えてくれる。
自分にとって本当に大切なものとは――そんな問いを与えてくれる1冊だ。
AI(人工知能)化が進み、私たちの仕事はどんどん変化を遂げている。そのことは知っていても、「では、自分の仕事は今後どう変わるのか?」ということを真剣に考えたことがある人は多くないだろう。
本書は、著者が実際に現場で働いている人々の声を聞きながら、「人間にしかできない仕事」を分析している。AIやロボットの参入により消えていく仕事がある一方で、AIと人間の相乗効果が見込まれる分野もあるし、これから新しく生まれてくる仕事もある。そう考えると、いたずらにAIの台頭を恐れる必要はない。
過渡期にある今、いかに対処していくべきなのか。人間ならではの強みを理解するうえで、本書は最善の書だといえるだろう。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの働き方は大きく変わった。多くの業界・企業において、リアルでのコミュニケーションは減り、デジタルベースでのコミュニケーションが主流になりつつある。それに伴い、「うまく伝わらない」という問題も発生していることだろう。
こうした課題に「紙1枚」で切り込むのが本書だ。本書はプレゼンの本だが、最終的に目指すところは「あらゆる内容を、できるだけしゃべらずに伝える」こと。著者が推奨する思考整理法によって「考え抜く力」が得られれば、対面でのプレゼンだけではなく、報告書や企画書、メールやビジネスチャットなど、あらゆる場面で限りなくシンプルに伝えられるようになる。
「プレゼンが苦手」「コミュニケーションを洗練させたい」という方に、特におすすめしたい1冊だ。
初対面の人やちょっとした知人、上司や取引先……そんな関係の人と、たまたま帰り道が一緒になってしまったら。とくに話すこともないが、ずっと黙っているわけにもいかない。居心地の悪い思いをした経験は、誰にでもあるだろう。
そんなピンチに備えて読んでおきたいのが、本書だ。本書は、誰とでもうまく雑談できる方法を教えてくれる。基本の7ルールに加え、初対面編、知人/飲み会編、職場/ビジネス編など、シーン別に「雑談」のいい例と悪い例が1ページで紹介され、その後に解説が続くという構成だ。
本書を読み終えた瞬間から使えるテクニックばかりなので、気まずい沈黙が流れ出す前に、ぜひチェックしていただければと思う。
flierの年間閲覧ランキングの首位に輝いた本書。本書は、「大切なことを適切なタイミングで話せる人になりたい」「思っていることを正直に言えない」「沈黙の時間が怖い」などといった、読者のリアルな悩みを解決してくれる1冊だ。
本書で提案されるのは、「苦手な人との対話を避け、好きな人と話す時間を増やす」こと。好きな人となら、自然と会話が弾む。その結果、徐々に自信がつき、「話しづらいな」「苦手だな」と感じることが減り、より多くの人と話せるようになる――というわけだ。
本書で取り上げられるのは、日常的なシーンにおける話し方ばかりだ。きっと、どんな立場の人にとっても救いになってくれるだろう。
本書の著者は、東大卒の脳科学者である中野信子氏と、東大を主席で卒業して財務省に勤務し、その後ニューヨーク州弁護士資格を取得した山口真由氏。中野氏と山口氏が、それぞれの「勉強力」について考えた1冊である。
脳科学者である中野氏は、脳科学の観点から最も効率的な勉強法を語る。山口氏は、ハーバード大学ロースクールの卒業も実現した、英語にも使える勉強法を解説している。
具体的な目標に向けて努力している方のみならず、勉強する暇がないと感じている方にとっても、大人としての「学び」を見つめ直すきっかけとなってくれるはずだ。
ビジネスパーソンとして、誰しも「書く」行為から逃げることはできない。企画書や報告書、メール一つとっても、私たちは日々文章を書いている。
それでも、書くことが苦手だという人は多いだろう。文章を書けなければ、仕事は進まない。生産性は下がり、もしかしたら、評価を落としてしまうことにもつながるかもしれない。
そうならないために手に取っておきたいのが、本書である。本書は、文章術を紹介した本でありながら、「要点を押さえた読みやすいシンプルな文章」の良い例にもなっている。本書の文章に触れてみるだけでも、効果的に文章力を高めていけるだろう。
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