Donald Trump大統領が、米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)のChristopher Krebs長官を解任した。CISAは選挙期間中、選挙でハッキングや不正があったとの主張が虚偽であることを「Rumor Control」ページで示してきた。Krebs氏は2018年、Trump大統領から任命され、CISAの初代長官に就任した。
CISAは公職選挙のセキュリティ保護などに関して、地方や郡レベルで改善することに尽力してきた。郡の選挙ネットワークにセンサーを設置し、サイバー攻撃の可能性を検出したり、脅威に関する情報を共有するバーチャルルームをホストするなどの対策を実施した。
選挙のセキュリティを保護する取り組みは、虚偽の情報への対処や、Trump政権の見解を反映しているとみられるデマの誤りを暴くことにも及んだ。CISAは米国時間10月20日、選挙に関する虚偽の情報を払拭する継続的な取り組みの一環として、Rumor Controlページを開設した。このページは、Joe Biden氏の大統領選当選が報じられた後も更新されている。
Biden陣営は声明で、「Chris Krebs氏は、真実を伝えたことで解雇されるのではなく、われわれの選挙の保護に尽力したことを称賛されるべきだ」とした。
Trump大統領は選挙の結果を受け入れていない。選挙に不正があったと一貫して主張しており、死者が投票した、投票の集計に不正があったなどとツイートしている。
The recent statement by Chris Krebs on the security of the 2020 Election was highly inaccurate, in that there were massive improprieties and fraud - including dead people voting, Poll Watchers not allowed into polling locations, “glitches” in the voting machines which changed...
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) November 18, 2020
Trump大統領は11月17日のツイートでKrebs氏の解雇を発表した。
Honored to serve. We did it right. Defend Today, Secure Tomrorow. #Protect2020
— Chris Krebs (@C_C_Krebs) November 18, 2020
Krebs氏はこのニュースに対し、「尽力したことを光栄に思う。われわれは適切に対処した」とツイートした。
米CNETはCISAにコメントを要請したが、回答は得られていない。セキュリティ研究者でCISAの選挙セキュリティ技術アドバイザーのJack Cable氏は、Krebs氏の下で働けたことを誇りに思っているとツイートした。
Rumor Controlページは、Trump大統領の主張の多くを直接的に否定してきた。Krebs氏が大統領の発言に直接異議を唱えたことはないが、大統領が支持する不正選挙論の虚偽を証明した。
Same as yesterday, Hammer and Scorecard is still a hoax. Thats it. That’s the tweet. https://t.co/jIwZlt3uDw
— Chris Krebs #Protect2020 (@CISAKrebs) November 9, 2020
米下院国土安全保障委員会は、Trump大統領がKrebs氏を解任したことについて、「米国の安全性が低下する」としている。
JUST IN: Chairs @BennieGThompson and @RepUnderwood released a statement after President Trump, in a series of false tweets flagged by Twitter, fired Chris Krebs, Director of @CISAgov. pic.twitter.com/jkuGgKALSW
— House Homeland Security Committee (@HomelandDems) November 18, 2020
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」