トランプ氏、大統領選の不正を否定したCISA長官を解任

Alfred Ng (CNET News) 翻訳校正: 編集部2020年11月18日 12時41分

 Donald Trump大統領が、米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)のChristopher Krebs長官を解任した。CISAは選挙期間中、選挙でハッキングや不正があったとの主張が虚偽であることを「Rumor Control」ページで示してきた。Krebs氏は2018年、Trump大統領から任命され、CISAの初代長官に就任した。

Chris Krebs長官
Chris Krebs長官
提供:Tom Williams / Contributor / Getty Images

 CISAは公職選挙のセキュリティ保護などに関して、地方や郡レベルで改善することに尽力してきた。郡の選挙ネットワークにセンサーを設置し、サイバー攻撃の可能性を検出したり、脅威に関する情報を共有するバーチャルルームをホストするなどの対策を実施した。

 選挙のセキュリティを保護する取り組みは、虚偽の情報への対処や、Trump政権の見解を反映しているとみられるデマの誤りを暴くことにも及んだ。CISAは米国時間10月20日、選挙に関する虚偽の情報を払拭する継続的な取り組みの一環として、Rumor Controlページを開設した。このページは、Joe Biden氏の大統領選当選が報じられた後も更新されている。

 Biden陣営は声明で、「Chris Krebs氏は、真実を伝えたことで解雇されるのではなく、われわれの選挙の保護に尽力したことを称賛されるべきだ」とした。

 Trump大統領は選挙の結果を受け入れていない。選挙に不正があったと一貫して主張しており、死者が投票した、投票の集計に不正があったなどとツイートしている。

 Trump大統領は11月17日のツイートでKrebs氏の解雇を発表した。

 Krebs氏はこのニュースに対し、「尽力したことを光栄に思う。われわれは適切に対処した」とツイートした。

 米CNETはCISAにコメントを要請したが、回答は得られていない。セキュリティ研究者でCISAの選挙セキュリティ技術アドバイザーのJack Cable氏は、Krebs氏の下で働けたことを誇りに思っているとツイートした。

 Rumor Controlページは、Trump大統領の主張の多くを直接的に否定してきた。Krebs氏が大統領の発言に直接異議を唱えたことはないが、大統領が支持する不正選挙論の虚偽を証明した。

 米下院国土安全保障委員会は、Trump大統領がKrebs氏を解任したことについて、「米国の安全性が低下する」としている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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