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ソフトバンクロボティクスが配膳ロボット「Servi」をお披露目--飲食店業務を効率化

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 ソフトバンクロボティクスは9月28日に新事業戦略発表会を開催し、米Bear Roboticsと共同で、飲食店向けの配膳ロボット「Servi(サービィ)」を、2021年1月から販売することを発表した。月額9万9800円の3年レンタルプランにて提供する。

ソフトバンクロボティクスは2020年9月28日に新ロボット「Servi」(中央)を発表。発表会には同社のCMキャラクターである広瀬すずさんも登場した
ソフトバンクロボティクスは9月28日に新ロボット「Servi」(中央)を発表。発表会には同社のCMキャラクターである広瀬すずさんも登場した

 同社の代表取締役社長 兼 CEOである冨澤文秀氏は冒頭、コロナ禍によってビジネス領域に変化が出てきており「ロボットの役割も変わってきていることを痛感している」と説明。コロナ禍の環境に最適化しながらもコスト削減を実現するソリューションとして、10月に発売予定の空間浮遊菌量を削減する新しいAI清掃掃除ロボット「whiz i」や、人型ロボット「Pepper」を活用した発熱検知から声がけまでをワンストップで実現する「サーマルPepper パック」などの取り組みを紹介した。

 その上で冨澤氏は、新たなロボットとして配膳ロボットのServiを発表した。これは料理の配膳や片付けの運搬を担う飲食店向けのロボットで、最新技術により狭い店内にも対応でき、なおかつ導入しやすい仕組みを整えており、利便性が非常に高いことが大きな特徴になるという。

発表会ではServieが広瀬すずさんに料理を届ける様子も披露。ちなみに料理は広瀬さんの好物だというニラ料理とのこと
発表会ではServieが広瀬すずさんに料理を届ける様子も披露。ちなみに料理は広瀬さんの好物だというニラ料理とのこと

 同社の常務執行役員 兼 CBOである坂田大氏は、Servieのコンセプトが「人とロボットとの共生」であると説明。コロナ禍で人との接触を避けるというニーズと、コロナ後に再び訪れる労働人口減少による人手不足と人件費の高騰といった、飲食店が抱える大きな課題に対する解としてServieを提供するに至ったという。

 坂田氏によると、飲食店のホール業務は配膳や下膳などの業務で1日10kmは歩くと言われており、飲み物やスープなど重く不安定な食べ物を運ぶことから肉体・精神的にも負担が大きいとのこと。そこでServieを導入することにより、ホールスタッフの配膳・下膳などの運搬業務負担を減らし、接客業務により集中できるようになるとしている。

飲食店は以前からの課題である人手不足と人件費の高騰、そしてコロナ禍で高まった非接触ニーズなどに対応する必要が出てきており、その課題解決に向け提供されるのがServieであるという
飲食店は以前からの課題である人手不足と人件費の高騰、そしてコロナ禍で高まった非接触ニーズなどに対応する必要が出てきており、その課題解決に向け提供されるのがServieであるという

 Servieの提供にあたってパートナーとなったのが、米国のBear Roboticsという企業である。同社は元米グーグルのエンジニアであり、なおかつレストランのオーナーもしていたCEOのジョン・ハ氏が設立した企業で、エンジニアリングと飲食店のオペレーションの両方に知見を持つジョン氏らが開発したロボットのプロトタイプをソフトバンクロボティクスが見て、同社をパートナーに迎え2年前からプロジェクトを進めてきたとのことだ。

Servieの開発は米国のベアロボティクスが手掛けているとのこと。発表会ではCEOのジョン・ハ氏がビデオメッセージを寄せている
Servieの開発は米国のベアロボティクスが手掛けているとのこと。発表会ではCEOのジョン・ハ氏がビデオメッセージを寄せている

 そのため、Servieにはさまざまな最新技術が盛り込まれているという。たとえば、自身の位置の推定と環境地図の作成を同時にするSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を採用することで、天井にマーカーを用意する必要なく、店舗を一周させるなど3時間程度のトレーニングで導入ができるとのことだ。

 また、3つの3DカメラとLiDARなどを搭載することで、人や小さな障害物を避けながらスムーズに移動でき、60cm程度の狭い通路であれば通り抜け可能だという。坂田氏によると、レストラン側からロボットが頻繁に止まるとホールスタッフとの連携リズムが崩れるとの声が多かったそうで、止まることなく人をかわしながら動いてくれることが重要なポイントになっているとのことだ。

ServieはSLAM技術や3Dカメラ、LiDARなどさまざまな技術を搭載することで、簡単に導入できるだけでなく、60cmの狭い通路でも運搬できるなど高い性能を持つとのこと
ServieはSLAM技術や3Dカメラ、LiDARなどさまざまな技術を搭載することで、簡単に導入できるだけでなく、60cmの狭い通路でも運搬できるなど高い性能を持つとのこと

 さらにServieは、行先と「Go」という2つのボタンを押すだけで操作が可能なほか、重量センサーを搭載しており、料理を取ると自動的に戻るなど、シンプルで簡単な操作ができる仕組みを整えているとのこと。積載量は最大35kgとのことで、3、4テーブル程度の料理を同時に積むこともできることから、客席の回転率向上にも貢献するとしている。

 ソフトバンクロボティクスでは、Servieの導入にあたって10社以上の企業と実証実験を進めているそうで、約半年で総走行距離は3000kmに達するとのこと。発表会にはそうした実証実験に協力したり、大規模な導入を決めたりした企業の代表者も登壇し、Servieの導入効果について説明した。

 ファミリーレストラン「デニーズ」などを手がけるセブン&アイ・フードシステムズの代表取締役社長である小松雅美氏は、コロナ後の人手不足解消に備えてロボット導入を検討し、Servieの実証実験に参加したと説明。導入の結果、配膳・下膳での従業員負担が大幅に減り、スタッフがサービスや接客に集中できることから、顧客とスタッフの双方から高い満足度を得られたという。

セブン&アイ・フードシステムズの小松氏は、Servieの試験導入によって配膳や下膳での負担が大幅に減り、その分スタッフがサービスに注力できるようになったことで顧客の満足度もアップしたという
セブン&アイ・フードシステムズの小松氏は、Servieの試験導入によって配膳や下膳での負担が大幅に減り、その分スタッフがサービスに注力できるようになったことで顧客の満足度もアップしたという

 また、高級レストラン事業を手がけるソルト・コンソーシアムの代表取締役である井上盛夫氏は、「かっこいい空間の中でロボットがどう活躍できるのかを実証した」とのこと。その結果、顧客やスタッフからも人気を得て、サービスの向上につながっただけでなく、Servieを機としたスタッフ同士のコミュニケーションが生まれ、それがサービス向上につながるなどのポジティブな成果が得られたという。

 ほかにも、とんでんホールディングスの代表取締役社長である長尾治人氏や、物語コーポレーションの副社長執行役員である加藤央之氏らが登壇し、Servieの導入によって顧客と従業員の双方にメリットをもたらすことができたと説明。坂田氏によると、Servie導入による来店者の満足度は95%に達したほか、配膳・下膳だけでなくテーブルセッティングや片付け業務にも活用することで、1日9時間、月にして約40万円の作業効率化ができたケースなどもあったという。

配膳だけでなく準備や片付けなどの作業にもServieを活用することで、1日9時間の作業効率化実現にもつながったとのこと
配膳だけでなく準備や片付けなどの作業にもServieを活用することで、1日9時間の作業効率化実現にもつながったとのこと

 Servieの販売開始は2021年1月で、月額9万9800円の3年レンタルプランという形で提供されるとのこと。坂田氏は「オペレーションの中核に使ってもらうには、安心して使えることが重要」と話し、故障時の無償保証や全国レベルでのサポート体制を取るとしている。また今後は、その移動・回避能力を使って小売店などさまざまなユースケースを開拓していきたいという。

Servieの販売は2021年1月に開始するとのことで、価格は3年レンタルプランで月額9万9800円とのこと
Servieの販売は2021年1月に開始するとのことで、価格は3年レンタルプランで月額9万9800円とのこと

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