スマートプラス少額短期保険(スマートプラスSSI)は8月24日、妊婦向けの少額短期保険サービス「母子保険はぐ」の提供を開始した。3プランを選択でき、妊娠中の入院、出産時の緊急帝王切開、出生児の入院、産後うつなどをまとめてカバーする。
母子保険はぐは、妊娠19週まで加入でき、産後の母親と出生児の両方のトラブルを保障できるのが特徴だ。妊娠中の入院、出産時の緊急帝王切開などを保障するほか、これまでの保険ではカバーできていなかった、切迫早産などでの自宅安静、産後うつも対象となる。また、産前産後で保障内容を自動変更。保険料はそのままで生まれた赤ちゃんも保障するという。
なお、同社によれば、2020年8月1日時点までの調査において、(1)「妊娠中に加入可能」、(2)「1つの契約により、妊娠している女性を被保険者として、妊娠・出産にかかわる入院や手術および妊娠中の病気やケガによる入院などを保障し、さらに、被保険者が出産後は、生まれた子供の病気やケガによる入院および手術などを保障」という2条件を満たす医療保険は他になかったとのこと。
同保険の加入手続きはスマホのみで行え、最短1営業日で保障が開始される。保障内容については、月額950円の「シンプルサポート」、月額2990円の「標準サポート」、月額4950円の「しっかり手厚くサポート」の3プランから選択可能だ。保険料は加入時の年齢によって変動。また、子どもが1歳、5歳になったタイミングで安くなっていくという。
請求時の手続きにも、診断書の郵送などは必要なく、診断明細書を写真に撮影してマイぺージにアップすればよい手軽さが強調された。ただし、症状によっては診断書が求められる場合もある。
母子保険はぐは、妊婦や経産婦を対象とした調査で得られた意見をもとに開発されたという。同社は、「妊娠記録・妊娠日記アプリ トツキトオカ」内でのアンケート調査、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った調査の結果を例に、妊婦・経産婦が抱える不安は「無事に出産できるか」「自分の体のトラブル」「妊娠・出産・育児による体の疲れ」など多岐に渡ることを指摘。
また、みずほ情報総研の「産後ケア事業の実態と課題に関する基礎調査(平成30年3月)」によれば、自治体の約60.5%が産後ケアを実施または実施予定であり、中でも精神面のケアを重視している自治体が多いと紹介。こうした背景をもとに、「母子保険はぐ」では、妊娠から産後に至るまできめ細かい保障を備えた、と同社は胸を張る。
スマートプラス少額短期保険は、2019年4月に準備会社を設立していたFinatextホールディングスの子会社であり、8月7日に少額短期保険業者として登録を完了した新会社という位置づけになる。生活者向けサービスの第一弾として、24日より母子保険はぐを提供する。
親会社のFinatextホールディングスは、証券プラットフォーム「BaaS=Brokerage as a Service」を提供するスマートプラスや、データ分析を手掛けるナウキャストを傘下に収めるFinTechスタートアップ。2019年には、MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険と、保険プラットフォームの提供で業務提携を発表。母子保険はぐで、同社は本格的な保険事業への参入を果たす。
保険事業参入の背景について同社は、「ユーザーファーストな金融サービスを具現化する技術力やビジネスノウハウを保険領域にも活かしていくことで、保険を今よりももっと『人々にとって役立つもの、生活を豊にするもの』にしたい」と説明。「生活の中の困りごとを保険でどのように解消できるか?」という視点で事業を展開するという。
また、Finatextホールディングス代表取締役CEOの林良太氏は「デジタルやスマホを活用して、ユーザーの自然なタイミングで提案できるように、保険の体験を再発明していきたい」との旨を述べた。
今後スマートプラスSSIは、今後MS&ADインシュアランス グループのあいおいニッセイ同和損害保険からの出資を予定する。
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