アップルは6月23日、WWDC Special Eventにて「iOS 14」を発表した。なお、今回のWWDCは、新型コロナウイルスの感染拡大を見込み、完全オンラインでキーノートを配信している。
iOSでは、長年変化のなかったホーム画面に手が加えられ、iPad OSのようなウィジェットを導入したほか、アプリを一画面で表示できる「App Library」、アプリを起動しながら動画が視聴できる「Picture in Picture」に対応。さらに、「Siri」のUIをコンパクト化。アプリの立ち上げや予定の確認など、画面下に一瞬出現した後すぐに最小化される。日本語を含む11言語の翻訳機能も搭載した。
「マップ」も大幅強化。全米のマップを再設計し、ナビゲーション機能を改善。Googleマップのストリートビューに似た「Look Around」などの機能を提供する。今後は、イギリス、アイルランド、カナダで利用可能だ。また、新たに「Finding Great Places」を搭載。マップチームが信頼できるブランドと手を組み、オススメのショップやロケーション、名所を紹介するもので、情報の保存や自動アップデートにも対応する。
また、自転車やEVなど環境負荷が低い移動手段のナビゲーションが選べるようになった。自転車向けでは、自転車専用道路や小道を考慮したルートを検索でき、坂の勾配などの情報を表示、階段を避けたルートを検索することも可能だ。EV向けでは、自動でルートに乗車しているEVと互換のある充電スポットを追加できる。
まずは、BMWとフォードに対応し、他の自動車メーカーにも順次対応提供という。新機能は、ニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコ、上海、北京と一部のエリアに限られる。中国のドライバーは、iPhoneに車のナンバープレートを登録すれば、市内の交通規制に対応した情報を表示可能だ。
自動車向けの「CarPlay」もアップデート。iOS 14では、車内に最適な壁紙を選べるようになったほか、駐車場、充電スタンド、フードの検索などにも対応する。また、車の電子鍵にも対応。物理的な鍵がなくても、電子鍵をiOS 14の「Car Keys」に登録することで、iPhoneをかざすだけでロックの解除からエンジンの始動まで可能。
通信は、超広帯域通信が可能なU1チップにて行う。電子鍵は、iPhoneのSecure Elementに保存され、もし紛失しても大丈夫なようにiCloudから消去可能だ。iMessageで電子鍵を共有することもできる。まずは、BMW Series5 2021年モデルから対応し、ほかにも2021年の新型車から順次搭載予定という。
また、App Storeにインストール不要で利用できる「App Clips」を実装。10MB以下に抑えられたスモールアプリで、例えばカーシェアや飲食店の決済など、専用アプリをインストールすることなく、App Clipsをすぐにダウンロードして立ち上げることができる。Apple PayやAppleサインインが利用でき、すぐに支払いを済ませることができる。もっと利用したい場合は、本アプリをダウンロードすることができる。
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