「Photoshop Camera」提供開始--人物の背景ぼかしから“非現実な写真”まで簡単撮影

 アドビは6月11日、同社のAI基盤「Adobe Sensei」を活用したカメラアプリ「Photoshop Camera」の配信を開始した。iOS/Androidに対応し、無償で利用可能だ。

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何気ない風景写真(左から1枚目)を自動で最適な色味にしてくれる(左から2枚目)ほか、様々な加工(左から3〜5枚目)が可能だ

 Photoshop Cameraは、同社のAIプラットフォーム「Adobe Sensei」を活用し、強力なコラージュ機能を実装したカメラアプリ。人物、風景、自撮り、フード写真などの撮影シーンを自動判別し、ダイナミックレンジ、色調、シーンの種類など被写体の特徴を判別。最適な色味や露出に自動で調整してくれる。

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風景の空とそれ以外を識別し、曇りの写真でも青空や夜に変えることができる。

 また、レンズと呼ばれる強力なフィルター機能が利用可能。例えば、曇り空の写真でも、空の部分だけを自動で抽出し、青空に差し替える。もちろん、写真全体のトーンも青空にマッチするよう調整する。さらに、アニメーション入りのフィルターを適用することができ、昼間の写真でも、夜空に花火を打ち上げたり、空に気球が回転するアニメーション写真に加工することもできる。

 人物を認識した場合は、被写体と背景をAdobe Senseiが自動で切り分けし、背景にぼかしフィルターを入れてデジタル一眼で撮影したようなボケ味を作り出せるほか、風景写真と同じように、背景にグリッジ、スペクトラム、ポップテイスト、カートゥーン調のトーンを合成し、顔には別のエフェクトをかけることができる。文字入れも可能で、アーティスティックな作品を簡単に作り出すことができる。

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人物写真の場合は、自動で被写体を認識してマスクを生成。ポップアートから、グリッジ、“闇落ち”まで(左から5枚目のレンズはビリー・アイリッシュが手掛けたもの)さまざまな加工を高精度かつ簡単に適用できる

 こうしたレンズは、ローンチ時で80以上を内蔵。アーティストのビリー・アイリッシュ氏が手掛けたレンズも数種類存在する。レンズは、週に2〜3個のペースで追加する。現時点で提供されるレンズは、欧米色のポップなテイストが多いが、アドビから日本のクリエイターにレンズ制作を依頼しており、今後順次追加していくという。

 なお、Photoshop Cameraのレンズは、Photoshop上で作成することができるものの、個人が作ったレンズを自身で楽しむためにPhotoshop Cameraに読み込むことはできないという。あくまでも、すべてのPhotoshop Cameraに提供されるレンズとして追加することになり、Adobe側での審査を経て提供されるものとなる。

 日本でPhotoshopと聞くと、顔や肌を修正したり、写真の不要な部分を取り除くレタッチツールとして認識しているユーザーも多いと思うが、Photoshop Cameraでは、複数の素材をもとに一つのアートワークを作り上げるコラージュの側面が多い。Photoshop Cameraは、Adobe Senseiのパワーに誰もが触れられるアドビ初の“AIファースト”なアプリとなる。

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