リモートワークは、好きな場所で働け、通勤が不要になることも大きなメリット。しかし実際には「意外に孤独」という声があがったり、マネジメント層からは「家にいるはずなのに電話に出ないので不安」と言われたりと、実際に導入してみたからこそわかる課題も見えてきたという。
内勤者のリモートワークにおけるスケジュール例として、朝会、昼会、夕会の設定や、チームミーティングやランチミーティングなどの実施、オンラインセミナーへの参加などをして過ごす1日を紹介した。コミュニケーション不足を補うため、オンラインストレージやコミュニケーションツールを使っているという。
石村氏は「リモートワークに役立つサービスカオスマップ2020年度版」を紹介したほか、以前実施したオンラインセミナーで不動産会社に各種ツールの導入検討状況のアンケート結果を発表した。それによると、チャットツール、グループウェア、ウェブ会議システム、勤怠管理システム、オンラインストレージは半数以上の会社で導入済みになっているとのこと。一方、セルフ内見システムやオーナーアプリ、オーナーポータルなどは、現時点の導入済み件数は少ないものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、「導入予定(または導入したいと考えている)」が増えてきているとした。
3月31日には社内向けにリモートワークに関するアンケートも実施。現在の課題点を洗い出したところ「重要書類の持ち出し」「書類への押印」「郵便物」などが懸念、問題点として上がってきた。石村氏は「リモートワークに早くチャレンジしたことで、早めに課題が抽出できる」とし、課題改善にもすでに乗り出している。
書類の持ち出しについては、USBメモリなど移動可能な記憶媒体は原則禁止とし、アクセス権を適切に付与したクラウドストレージの利用を実施。持ち出し、返却時に管理責任者、部門責任者の承認、確認工程を設け、紙媒体の場合は、持ち出し時、返却時の枚数、部数の差分確認も行うといった新たな規定を設けた。
押印に関しては事業部長印を用意し、賃貸借契約書、重要事項契約書、保証会社申込書といった契約書類を自宅で取り扱うことで、法務部、弁護士、各社への確認をとっている最中とのこと。郵便物については、Word、PDFファイルをアップロードし、差出人、宛先を入力するだけで、文面印刷、宛名印刷、封筒詰め、切手貼り付け、発送、配達までを日本郵便が一括で行う「Webレター」を利用している。
石村氏は「非対面による契約や内見など、不動産テック企業が推進するサービスが注目されているが、何を使えばいいのかわからないという声も聞く。そういうときは不動産テックカオスマップを活用することでリモートワークを実現できる。今まで電話、対面といった作業が多く、濃厚接触をしないと作業ができなかったがツールを使うことによってオンラインでも解決できるようになってきている。そうした段階にシフトするとき」とコメントした。
新型コロナウイルス感染拡大を受け、店舗の営業停止や労働者の解雇などが起こっている。この現状を受け石村氏は「不動産管理会社がすべきことは、入居者とオーナーを守る戦略を立てること。家賃が払えずテナントが退去してしまうと、オーナーも困る。そうした状況から、一部の物件では家賃の値引きを提示している」とし、交渉も始めているという。
接客や紙書類など、アナログでのやり取りが多かった不動産会社の仕事だが、WealthParkのリモートワークの取り組みは、オンラインでも十分にできる環境を実証している。
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