新型コロナウイルス関連

医療向けフェイスシールドや人工呼吸器パーツを3D印刷で--各社の取り組み - (page 2)

Stephanie Condon (CNET News) 翻訳校正: 編集部2020年03月31日 07時30分

Protolabsはミネソタ州で「不可欠な事業」と認められた

 ミネソタ州に拠点を置くデジタルマニュファクチャリング企業Protolabsは、医療関連の注文を優先して製造しており、不可欠な事業として認められている。医療関連企業からは最短納期出荷の追加手数料を徴収せず、革新的な新デザインを生み出すために外部組織と提携している。

 同社はその進捗をTwitterで報告した。3月22日の時点で、14の成形機で人工呼吸器用のパーツを製造しており、既に数千個が完成し、流通の準備が整っている。Protolabsはまた、ミネソタ大学と協力し、一夜で新しい人工呼吸器デザインをコンセプトから立ち上げ、プロトタイプを製造した。20日には、新型コロナウイルス感染症の診断キット向け部品を1000個製造して出荷したとツイートしていた。

FormlabsはCOVID-19診断用スワブを3Dプリンターで製造

 ボストンに拠点を置くFormlabsは、病院に3Dプリント製新型コロナウイルス感染診断用スワブを供給しているツイートした。Formlabsはユーザーコミュニティーの協力を得て、スワブやその他の個人用防護具(PPE)の迅速な大量生産のために1000台近い3Dプリンターを組織した。

新型コロナウイルス感染症診断用スワブ
 新型コロナウイルス感染症診断用スワブ
提供:Formlabs

 プリンター1台が1度に製造できる診断用スワブは300本で、1日当たり7万5000〜15万本の診断用スワブを製造できると、FormlabsはZDNetに語った。同社はサウスフロリダ大学やNorthwell Healthを含む米国の病院と協力してスワブを設計した。同社はこの設計ファイルをコミュニティーや他の医療機関と共有する計画だ。

 同社は医療関連ソフトウェアと素材で米食品医療品局(FDA)と長年協力してきた経験を持つ。Formlabは診断用スワブの出力に加え、テストキットの部品、フェイスシールド、微粒子用マスクなどの設計を検証中だ。

Fordはフェイスシールド製造に3Dプリンターを採用

 自動車メーカー大手のFord Motor CompanyはGE Healthcareと提携し、米国で人工呼吸器などの重要な機器製造の拡大に取り組んでいると、同社のCEO、Jim Hackett氏が24日、「CBS This Morning」で語った。この取り組みの一環として、Fordは自社の3Dプリンター工場をプラスチックのフェイスシールドとPPEの部品製造に使っている。同社は週当たり10万個以上のフェイスシールドを製造する計画だ。

 フェイスシールドの最初の1000個は、Detroit Mercy、Henry Ford Health Systems、Detroit Medical Center Sinai-Grace Hospitalsで23日の週にテストする予定だとFordは述べていた。同週末までに、およそ7万5000個が完成したとみられる。

Volkswagenは3Dプリンターを導入し、医療機器を製造

 自動車メーカー大手のVolkswagenは20日、自社の製造工場を人工呼吸器や医療機器の製造に適合させるためのタスクフォースを結成したことを明らかにした。この取り組みには、125台以上の産業用3Dプリンターの活用が含まれる。

 同社はReutersに向けた声明文で「医療機器はわれわれにとって新たな分野だ。だが、要件を把握し、設計を入手すれば開始できる」と述べた。

 同社によると、部品のプロトタイプは既に出力済みという。

SmileDirectClubは歯科矯正器具から医療品にシフト

 口腔ケア企業のSmileDirectClubは、自社の製造施設を医療品製造に充てた。同社は歯科矯正キットの消費者への直販で知らている。同社は、米国でも有数の大規模3Dプリント製造者だと語る。

 SmileDirectClubは医療品メーカーおよび保健機関と協力し、医療用フェイスシールドや人工呼吸器バルブなどを製造している。同社はSTL(Standard Triangulated Language)形式の3Dデータを使った出力ができるのが強みだ。また、最近の自動化で出力容量が増加し、簡単に製造を増やせるようになったと同社は言う。SmileDirectClubはまた、「医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)」コンプライアンストレーニングを受けたグローバルなコンタクトセンターチームとサポートシステムによる支援も提供している。

 SmileDirectClubは医療品企業や保健機関に対し、resilience@smiledirectclub.comに直接連絡するよう求めている。

 同社CEOのDavid Katzman氏は19日の発表の中で、「この非常時には、困っている人を助けるために自分たちにできることをするのが、われわれ全員の責任だ。医療品不足の報道は非常に心配だが、われわれにはプラスチック素材の3D出力に役立つ生産能力がある」と述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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