リビエラリゾートは3月24日、神奈川県逗子市にスモールラグジュアリーホテル「MALIBU HOTEL(マリブホテル)」をプレス向けに公開した。11室すべてがスイートで、日本初の電気自動車(EV)による充放電システム(V2B)を備える。開業は3月26日。
MALIBU HOTELは、1971年に開業した「リビエラ逗子マリーナ」内にオープン。敷地面積16.3万平方メートルで、ヨットハーバー、3店舗のレストラン、バンケット5会場、9棟1200室を持つマンションを擁するほか、チャペル、テニスコートなどの施設も併せ持つ。新たに宿泊施設とレストラン「マリブファーム」を加えることで、滞在型での楽しみ方も打ち出していく。
客室はすべて50平方メートル以上のスイートで、米国のインテリアデザイナーALEXANDER DESIGN(アレキサンダーデザイン)がインテリアを監修。全室オーシャンビューで、天気が良い日には富士山も望める。室内にケージを備えたほか、外のラウンジにペット用シャワーを用意したペット同伴タイプの客室や、客室で「CLAYD(クレイド)」のトリートメントスパが体験できるオプションなどもそろえ、客室ごとに異なる眺望とスタイルの違う空間を提供する。
客室や施設の豪華さに加え、停電にも強いV2Bも備える。V2Bは、vehicle to buildingの略で、EVを蓄電池のように使い、EVと建物の間で電力を相互供給する技術。オフィスビルなどで採用されているが、ホテルでの採用は日本初になるという。
マリブホテルでは、屋上に太陽光パネルを設置し、EVに充電するシステムを整備。通常時は太陽光パネルからの発電と系統電力からEVに充電し、電力の使用がピークになる時間帯には、EVからホテル側へと放電することで、ピークカットができる仕組みだ。3台のカーポートと1台の固定蓄電池を用意し、カーポートはEV車への充電システムとしても機能。EVは、リビエラリゾートの社用車として用意しているほか、社員、宿泊客のEVを使用する予定で、社員がEVを購入する際は補助金を支給するなど、積極的な乗り換えを促す。
災害時には、EVからホテルのロビーへ放電ができ、照明を点灯できるほか、スマートフォンなどへの充電にも対応。扇風機や暖房器具にも使えるという。
リビエラリゾート 専務取締役の山崎哲雄氏は「EVを蓄電池として利用できることのメリットは動かせること。停電しているエリアが限定されている場合は、停電していないエリアに行き、充電して戻ってこられる。ソーラーと併用できるメリットはものすごく大きい」と災害時の電力供給に期待を寄せる。
充電方法にはCHAdeMO(チャデモ)を使用。営業開始はこれからのため、実稼働時にどれだけ節電効果が得られるのかはわからないとしているが「従来の料金プランから2段階程度落とせるのでは」(山崎氏)と予想する。
リビエラリゾートでは、環境に配慮した取り組みとして、ビーチや歩道のゴミを拾う「ビーチグリーン活動」や海洋生物の生態系を保護する「アマモの育成支援」などを実施。レストランやカフェなどでのプラスチック製ストローも廃止するなど、環境保護活動に力を注いでいる。V2Bもそうした取り組みの一環として取り入れるもの。再生可能エネルギーを利用することで、環境に優しいまちづくりを実践する。
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