居酒屋でロボット運用--養老乃瀧とQBIT、池袋に「ゼロ軒めロボ酒場」

 養老乃瀧とQBIT Roboticsは1月14日、外食業界で深刻化する人手不足の解消および、人とロボットが協働できる現場オペレーション開発のため、居酒屋におけるロボット運用の実証実験を開始すると発表した。

ゼロ軒めロボ酒場
ゼロ軒めロボ酒場

 同実験では、養老乃瀧が1月23日から3月19日までの約2カ月間、JR池袋駅南口にロボットがカウンターで働く「ゼロ軒めロボ酒場」(JR池袋駅南口の「一軒め酒場」店内)を開店する。営業時間は、8時から24時(ラストオーダーは23時30分、1月23日のみ17時から開店)。

 同店では、ロボットがAIを駆使した楽しい接客と美味しいドリンクを提供するという。提供メニューは、ロボ生ビール、スコッチハイロボール、ロボレモンサワー、白加賀でつくったロボ梅酒ソーダ、ロボと泪とカシスとソーダ、桃色ロボ想いの6品(いずれも税込500円)。

 なお、QBIT Roboticsが提供する接客ロボットサービスは、ロボットが注文を受け、ドリンクを作り提供するため、ホールスタッフの労力低減が期待できるという。実際、導入店舗で人手が必要となるのは、主に開店や閉店作業および、食材補充のみとなり、0.1〜0.3人/日程度で店舗が営業できる見込み。

 加えて、ロボットは、来店客の性別、年齢、表情などを識別するカメラと連携し、AIを用いて適切な話しかけやモーションを行うよう設計されている。接客対応中や接客後のリアクションも識別し、「笑顔」と「売上」を評価ポイントとし成果(接客の良し悪し)を学習。ロボット自身の接客スキルを日々向上させるという。なお、AIは来店客や状況の特徴点を数値化し学習しており、個人の特定は行わない。

 QBIT Roboticsでは、深刻化する労働人口減少に対し外食業やサービス業における生産力を確保するには、ロボットとの協働が必須だと考えており、実際にスタッフの稼働がどの程度削減するのか、ロボットが受け入れられるのかなどを検証する。

 両社は今後、実証実験前後の比較を行い、実店舗におけるロボット活用の有用性・有効性(ホールスタッフの稼働をどの程度削減できるのか、ロボット運用は可能なのか、省人化に有効なのか)を検証する。

 また、収益性から検討し多店舗展開が可能なのかなど、ロボットを用いた酒場ビジネスの本格展開に向け、両社で協議を開始する。将来的には、各種収集データを活用し、より一層楽しく、来店客が笑顔で過ごせる、夢のロボット居酒屋の具現化に向け、コラボレーションを加速させる予定。

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