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「au WALLET ポイント」は「Ponta」に統合へ--KDDIやローソン、三菱商事ら4社が提携

山川晶之 (編集部)2019年12月16日 21時25分
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 KDDIと三菱商事、ロイヤリティマーケティング(LM)、ローソンは12月16日、インターネットとリアルを融合した消費体験の創造に向けた取り組みで合意したと発表した。また、KDDIはローソン、LMと資本業務提携を締結。ローソンの発行済株式総数の2.1%に相当する211万株を市場買付により取得するほか、三菱商事からLMの発行済株式を20%取得する。

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 今回の提携により、KDDIの「au WALLET ポイント」をLMの「Ponta」に統一するほか、「au ID」と「Ponta会員ID」を連携。9200万の会員数を持つPontaと、2800万以上のau WALLET ポイント保有会員数をあわせ、1億超の会員基盤が誕生する。また、決済分野でも連携し、Pontaアプリにスマートフォン決済サービス「au PAY」を、au WALLETアプリに「デジタルPontaカード」を実装。両社をあわせたポイント付与額は2000億円を超える。決済とポイント統合は2020年5月以降を予定している。

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1億人超の会員基盤が誕生

 ローソンでは、成城石井、ローソンストア100、ナチュラルローソンを展開しているほか、エンタメ分野でローソンチケット、HMV、ユナイテッド・シネマを傘下に持つが、これまではグループ内での“2次元的”なデータ活用にとどまっていたとローソン代表取締役社長の竹増貞信氏は語る。同氏は、「KDDIとの資本業務提携によって、リアルの購買データにネットとデジタル、通信と決済が合流することで、3次元でデータを活用できる。令和型の次世代CVSサービスをPontaを核に追求する」と語った。

 また、KDDIとローソン、LM各社が持つデータを組み合わせたマーケティングを企業に提供。KDDIが傘下に収めるSupershipや、アクセンチュアとの合同会社「ARISE analytics」とも連携するという。ロイヤリティマーケティング代用取締役社長の長谷川剛氏は、「欲しい商品、お得さ、利便性という生活者のWANTと、集客、お客様ニーズ、適正在庫などの企業ニーズをマッチングさせる。Pontaで蓄積されたデータを活用することで、あらゆるムダを削減する」と述べた。

 今回、三菱商事は3社の資本業務提携を支援する側にまわる。三菱商事コンシューマー産業グループCEO京谷裕氏は、「今後も消費者に求められる価値を提供するには、業界の垣根を超え、デジタルやネットワーク分野に強いパートナーと、ネットとリアルを融合したアライアンスを組む必要があった」とし、「(三菱商事が持つ)リアルを中心とした事業基盤を生かし、グループとも連携してより良い消費社会を実現したい」と語った。

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4社で実現する構想

「AUGMENTEDコンビニ」で人員不足問題と顧客体験向上を両立

 KDDIとローソンでは、リアルとネットを融合し、顧客体験を拡張する次世代型CVSサービス「AUGMENTEDコンビニ」の展開を目指す。これは、1億超の会員基盤をベースに、KDDIが持つ本人の認証情報、ロケーション情報、ネット購買情報、5G技術に、ローソンが持つリアルの店舗情報、消費情報を組み合わせて新しい体験価値を提供するというものだ。髙橋氏は、「オンラインでお客様を理解した上で、リアル店舗で何ができるかという時代に差し掛かっている」とし、旧来のオムニチャネルに代わるOMO(Online Merges with Offline)を主眼に置く。

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白い枠線がKDDIが提供できるデータ、それ以外はローソンが提供するデータだ

 髙橋氏は、個人別趣味趣向、エリア動態情報、店舗の在庫管理を組み合わせることで、ユーザーと店舗の“今”にマッチングできるとする。例えば、賞味期限が切れかかっている食品を店舗に近いユーザーのみに割引して通知することで、食品ロスの低減を実現。また、モバイルオーダー、認証決済、ロボティクスを活用した無人受け取りにより、ストレスフリーな購買体験を提供することで、労働人口減少への対応とユーザー体験の向上を両立する。さらに、活動量計といった個人の計測デバイス、個人別趣味趣向、購買を含めた食事データ管理と組み合わせて、不足しがちな栄養素が入ったコンビニの食品をレコメンドするといった、社会的ニーズの高い健康維持にも貢献できるという。

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KDDIとローソンが仕掛ける「AUGMENTEDコンビニ」で目指すもの

 なお、ローソンではすでに夜間の無人店舗販売を実証実験という形で展開している。竹増氏は、「夜間はセルフレジのみで、ユーザーにアプリや顔写真を撮影して入店してもらっているが、実際にやってみると課題が出てくる」とした、「例えば、今のコンビニではボタンを押しての年齢確認が必要なため、夜間は(お酒やタバコなど)年齢確認が必要な商品は販売できない。そこで、デジタルを使った認証方法で年齢確認ができるようにすることで、無人でもこうした商品が販売できるかもしれない」とする。

 また、医薬品などの販売でも課題がある。「登録販売者が営業時間の半分在籍してないと認証が取れない。お客様からも、なぜローソンで薬を置いてくれないのかという相談がある。ライフラインとしても薬が必要であり、KDDIと一緒になって解決したい」と、現在対面でしか販売が認められていない商品をデジタル技術を使って無人でも取り扱えるようにしたい考えだ。さらに、「ローソン積年の課題がラストワンマイル。今は店舗に来てもらっているが、ここでもKDDIのデジタルや通信技術を使って解決したい。やりたいことはたくさんある」と、連携の意義を強調した。

 ローソンではNTTドコモとも資本業務提携を結んでいる(出資比率はKDDIが若干多い)。KDDIは会員基盤やポイントの統合など、ドコモよりももう少し踏み込んだ提携となるものの、ドコモとも取り組みを続けていく方針だ。

Payのキャンペーン合戦にKDDIも本格参加か

 今回、いわゆる“Pay戦争”が繰り広げられている中での提携となるが、KDDI代表取締役社長の髙橋誠氏はPayと連携する口座(ウォレット)を押さえることが重要と語る。「なんとかPayなどたくさん表に出てきている。Payという決済手段も大事だが、それに紐付いた口座がとても重要。スマートフォン決済と口座が1対1で対応する時代となり、陣取り合戦になっている。(KDDIでは)au WALLETとau PAYがそれになる」とし、「口座にいくら貯まってくるかが大事。各社いろんな手を使いながら市場拡大しているが、我々は提携によって一歩先んじていけるのではないか」と説明。口座に付与する年間2000億ポイントでエコシステムの構築を後押しする。

 なお、今回の提携がヤフーとLINEの経営統合が影響しているのかという質問に対し、髙橋氏は「今回の提携は時間をかけており、LINEとヤフーが一緒になる前から話をしている」と否定したものの、「PayPayの大きな対抗軸になるのは間違いない」と対ソフトバンク戦略を匂わせた。「単純にキャンペーン競争で体力をすり減らすのではなく、あらゆる経済圏で一番身近な決済手段にしていきたい」としつつも、高橋氏は「われわれもすり減らすほどキャンペーンをやっていないので、もう一度目指したい」とキャンペーン参加を示唆。ローソンの竹増氏も、「au PAYによる大きな販促キャンペーンなど、お客様にすぐに伝わるところも大いに期待したい」とKDDI側に要望を伝えた。

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