Wikipediaの共同創設者であるJimmy Wales氏が、新しいソーシャルネットワークを密かに開設した。FacebookやTwitterがこれまで犯してきた間違いを正す狙いだ。
新しいソーシャルネットワーク「WT:Social」について、Wales氏は米国時間11月6日に2万5000人の会員がいると発表していたが、今では約7万8000人の会員がいる。フェイクニュースと闘うソーシャルネットワークという考えに、少なくとも興味を抱いている人々だ。
WT:Socialは、Googleが標準化した広告料を資金源とするモデルとは異なり、情報へのアクセスやサイトにおける交流のためにサブスクリプション料金を支払うようユーザーに求めている。
料金は米国で月額12.99ドルまたは年額100ドル。
WT:Socialは、WikiTribuneのリブート版ともいえる。WikiTribuneは、ニュース共有サービスとしてスタートしたが、人々の支持を得られず、Wales氏は雇用していたジャーナリスト数人を解雇する結果になってしまった。WikiTribuneは、クラウドファンディングキャンペーンで集めた資金によって開設された。
Wales氏は、Financial Timesのインタビューで、新しいプロジェクトと、ソーシャルネットワークは無料なのが当然だと考える消費者、というよりむしろ利用者と呼ぶべきだろうが、にとっては不愉快な同サイトの計画について語った。有料プランのあるLinkedInは、ここでは例外と考えていいだろう。
「広告収入だけに頼るソーシャルメディア企業のビジネスモデルは、問題が多い」「大きな勝利をあげているのは質の低いコンテンツであることがわかる」(Wales氏)
Wales氏は、WT:Socialが5000万人、あるいはひょっとしたら5億人のユーザーを引き付けられると考えており、「有意義な」コンテンツに喜んで料金を支払う人々を引き付けることにNetflixやSpotifyが成功している点を指摘している。
サインアップは無料だが、WT:Socialは、料金を支払えば回避できるウェイティングリストを設けている。これまでのところ、ウェイティングリストを回避するために料金を支払ったのは、200人にとどまる。
Wales氏はWT:Socialが利益を生むとは思っていないが、人員が現在のように必要最低限であれば、持続可能だと考えている。
「コストには厳しく目を光らせたい」とWales氏は述べている。
WikiTribuneは国際的ニュースに焦点を当てていたが、WT:Socialは、ニッチなテーマを軸にもっと小規模で自立したコミュニティーを構築することを目指している。
Facebookのようにモデレーターを雇ってフェイクニュースがないか監視するのではなく、WT:Socialは、ユーザーのコミュニティーによって基準を守らせる。プラットフォーム上のコンテンツはすべて、他のユーザーによって編集や削除が可能なため、ユーザーが好ましい行動をする十分な動機があるとWales氏は考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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