アドビシステムズは11月4日、同社が年次で開催している大規模クリエイティブカンファレンス「Adobe MAX 2019」にて、Photoshopの名前を冠したカメラアプリ「Adobe Photoshop Camera」を発表した。2020年での提供を予定している。
これは、同社のAIプラットフォーム「Adobe Sensei」を活用し、強力なコラージュ機能を実装したカメラアプリ。人物、風景、自撮り、フード写真などの撮影シーンを自動判別し、レンズ(Photoshop Cameraでのフィルター機能)のオススメを提示。撮影した瞬間に設定されたレンズの画像処理が適用される。また、ダイナミックレンジ、色調、シーンの種類、顔の範囲など被写体の特徴も識別し、最適な色味や露出に自動で調整可能だ。
Photoshop Cameraでは、Adobe Senseiが空や人物を認識すると、その部分だけを識別して加工する。例えば、曇りの山々の写真を撮影した場合、空を識別して青空や星空など、指定したレンズのトーンに修正。それにあわせて山々の色味も夜のトーン、快晴のトーンに自動で調整される。また、アニメーションに対応したレンズもあり、リアルタイムで合成しながらシャッターを切ることもできる。
Photoshop Cameraちょっと試したけど、昼の写真が完璧に夜の写真になるのすごい #AdobeMAX pic.twitter.com/ighyJrtPar
— 山川晶之 (@msyamakawa) November 5, 2019
人物を認識した場合は、被写体と背景をAdobe Senseiが自動で切り分けし、背景にぼかしフィルターを入れてデジタル一眼で撮影したようなボケ味を作り出せるほか、風景写真と同じように、背景にグリッジ、スペクトラム、ポップテイスト、カートゥーン調のトーンを合成し、顔には別のエフェクトをかけることができる。文字入れも可能で、アーティスティックな作品を簡単に作り出すことができる。
Photoshopでユーザー自身が作成したレンズをPhotoshop Cameraに組み込むこともでき、有名クリエイターが作成したレンズを使っての撮影も可能だ。
なお、日本ではPhotoshopと聞くと、顔や肌を修正したり、写真の不要な部分を取り除くレタッチツールとして認識しているユーザーも多いと思うが、Photoshop Cameraでは、複数の素材をもとに一つのアートワークを作り上げるコラージュの側面が多い。AIを使って誰でもアーティストになれる、同社初の“AIファースト”なアプリであり、レタッチツールとは異なる点に注意だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス