アマゾンジャパンは9月18日、新しい商品受け取りサービス「Amazon Hub」を導入すると発表した。ロッカー型のセルフタイプ「Amazon Hub ロッカー」と、店舗スタッフの受け渡しによる「Amazon Hub カウンター」の2種類がある。
Amazon Hubは、すでに米国などで展開しているサービスで、24時間自由なタイミングで商品を受け取ることができる。荷物が届くのを待つために在宅する必要がないほか、必要なアイテムを勤務先や旅行先近くのロッカーで受け取ったり、プレゼントなど家の外で受け取るニーズに対応。当日お急ぎ便も利用可能だ。なお、対応する配送業者は、デリバリープロバイダに限定されるほか、現時点では返品には対応しない。
また、再配達などによる配送ドライバーの負担軽減も実現する。同社では、負担軽減策として、29の都道府県で置き配などを進めており、岐阜県多治見市では置き配を標準配送にする実証実験を始めている。アマゾンジャパン合同会社社長のジェフ・ハヤシダ氏は、「これまで配送環境について聞き取りを行ってきた。ドライバーの再配達の軽減は大きな課題であり、日本社会で解決が求められている。2019年2月の置き配以外にもAmazon Hubでの再配達軽減で、ドライバー支援になればと思う」と述べた。
利用方法は、アマゾンで注文時に配送したいロッカーを指定。住所や郵便番号を入れて使うことも可能だ。注文後、ロッカーに商品が入荷すると通知が入り、メールで送られたバーコードを端末で読み取ることでロッカーの鍵が解錠する。店舗受け取りの場合は、協業する店舗向けにアプリを用意。スタッフは、ユーザー側のバーコードと、該当する商品のバーコードを読み取ることで受け渡しすることができる。なお、店舗のサイズに応じて受け取り数やサイズの上限を店舗側で設定することも可能だ。
ロッカーの対応店舗は、ファミリーマート、小田急電鉄、富士シティオ、東京海上日動、昭和女子大学。カウンターは、りらく、ecbo、大学生協事業連合。今後、中小企業含めて新しい企業と提携を進め、まずは200カ所からスタート。来年以降全国展開するという。カウンタータイプは、店舗にアマゾンのユーザーを送客する狙いもあるようだ。
発表会に登壇したファミリーマート代表取締役社長の澤田貴司氏は、「ファミリーマートが直面している大きな問題として、既存店の顧客数が伸びていない。ジェフ氏らといろいろ話す機会があり、一人でも多く送客したいとご提案いただいたのがAmazon Hub ロッカー。年内に50件設置して、その可能性を徹底的に追求したい」と語る。
さらに、「もう一件直面している課題が人。受け渡しの荷物の個数は、われわれのチェーンで1200万個ぐらいあるがアマゾンがその8割を占めている」と、荷物の受け渡しに関する人的コストに言及。「多いところでは1日40~50件。東名阪で130%ほど伸長している。こうしたロッカーを設置した上で、加盟店の手を煩わせることなく送客できるチャレンジとしてお願いした」と述べた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果