IoTによって、スマートホームで家電が連携する素晴らしい新時代が到来するものだと思われていた。だが、今では孤立したエコシステムの、閉ざされたプラットフォームがあるだけだ。GoogleやAmazonのような巨大クラウドベンダーが、ユーザーに自分の領土だけで稼働するデバイスを使わせようと決めたせいだ。
うちのHaikuが動かなくなると本気で心配しているわけではない。センサーもアプリも問題なく使える。WemoでもLutronでもPhilipsでも、うちのすべての照明はAlexaで操作できる。
だが、何百ものIoTデバイスの連携に使われていたクラウドAPIを、Googleが提供開始から5年もしないうちに終了しようと突然決められるのは、少し不安だ。これは、ホームオートメーションのために様々な製品を組み合わせて使うという、IoTとスマートホームのあるべき大前提が茶番になるということだ。
私に言わせれば、Googleは責任を取るべきだ。顧客にこんな形で無駄な出費をさせたり、パートナー企業を誤解させたままにしていたことは高額な罰金に値する。これを書いている今、まだ申し立てられていないのであれば、独禁法訴訟と集団訴訟を検討すべきだと考えている。
すべてのパートナー企業が、Nest APIの代わりにGoogleアシスタントで機能するよう自社製品のファームウェアをアップデートできるだろうか? できるかもしれないが、保証はない。各パートナー企業はすべてのデバイスとそのバックエンドのソフトウェアの開発を検討する必要があり、それらを問題なく機能させるためには多大な努力が必要だ。
こうしたことはすべて、GoogleのIoTエコシステムへの信用失墜を招く。つまり、もしホームオートメーションを実現したいなら、使いたい製品ファミリーと、その製品ファミリーと親和性のあるクラウドベンダーについて計画しなければならないのだ。
Alexaで操作するスマートホームか、Googleか、Appleか? 最近までは、必要であれば3社のサービスすべてを問題なく併用できた。だが、今は違う。
Appleのプラットフォームで稼働するアプリや、「Apple Watch」のようにiPhoneに依存する製品を購入する際に、Appleのエコシステムにロックインされてしまうことを考慮する必要があるのと同じように、われわれは今や、IoTでもいずれかの閉ざされたプラットフォームを選ばなければならない。あるいは、IoTのコードがオープンソースになっている製品についてもっと真剣に考えるべきなのかもしれない。結局、われわれのすべてのIoT製品は消える運命にあると認めなければならない。
私は、Alexa陣営に入ることにした。今後はスマートプラグや照明スイッチなど、すべてAmazonベースの製品だけを選ぶつもりだ。Amazonという企業にもいろいろあるが、Googleのように、すべての顧客を裏切るようなことはしないと思う。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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