NTTぷららは、映像配信業務を一元的に監視し安定した映像配信をサポートする「NTTぷらら メディアオペレーションセンター」の本格稼働を開始した。「ひかりTV」のほか、dTVやDAZNの監視、オペレーション業務も請け負う。
NTTぷららでは、以前から同様のオペレーションセンターを設けていたが、自社サービスだけでなく他社サービスの映像配信業務を一元的に監視できるよう、新センターを稼働。延床面積を拡張し、映像監視モニター数も4倍以上に増やした。
受託配信サービスを含め、のべ580チャンネルを送出し、約320チャンネルを監視ポイント別に表示し、常時、映像・音声の状態を確認。約650面用意したウォールモニターには、映像監視機能内蔵のマルチビューワーを採用し、映像のブラックアウトやフリーズ、音声のトラブルを人の目や耳に代わってリアルタイムに検知する。監視項目は、映像配信プラットフォーム全体で約3万2000項目に及ぶ。
センター内には、セットトップボックス(STB)上のサービス、機能が正常に動作しているかを自動監視するRPAも試験導入。通常、動作確認は約90チャンネル分を人の手を使い、ザッピングすることで確認していたが、予め作成したテストシナリオに沿ってSTBのユーザーインタフェースを自動的に操作し、その時々の映像、音声出力から画面遷移のエラーや映像品質の劣化を捉えた場合にアラートを出力できるとのこと。今後はSTBだけでなく、スマートフォンなどのマルチデバイスや、サービス監視の適用範囲拡大に向けた検討を進めていくとしている。
システムの故障時は、アラートを待つだけでなく、社内外のさまざまな情報を取得し、分析することで、システム障害の未然防止やサイレント故障の早期発見など、サービスの品質向上を実現。コールセンターの対応履歴のほか、TwitterなどのSNSの書き込みを解析することで、故障を早期に見つけることに役立てているという。SNSを活用することで、コールセンターの営業時間外でもエラーにすばやく気づけるとしている。また、雨雲のリアルタイム情報を取得し、悪天候が予想されるアンテナ局を冗長化された局の受信に切り替えることで降雨障害を未然に防ぐ。
NTTぷらら 代表取締役社長の板東浩二氏は「映像配信サービスは、サービスそのものが似たような内容、料金設定になってくる傾向が強い。どこで差別化をするかと考えた時にオペレーションは今後重要になると考えている。今後はオペレーション業務自体もビジネス化を図り、映像監視の受託なども手がけていきたい」と今後について話した。
NTTぷららは、7月1日をもってNTTコミュニケーションズグループから、NTTドコモグループへ帰属を変更する。板東氏は「ドコモは日本一の顧客基盤を持ち、私たちは、コンテンツ調達力と日本最大規模の映像配信プラットフォームを構築してきた。この2社の力をかけ合わせて新たなマーケットを作っていけると思っている」とコメントした。
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