富士フイルムは5月23日、1億200万画素のラージフォーマットセンサーを搭載した中判ミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX100」を発表した。発売は2019年6月下旬を予定しており、価格はオープンプライスなものの、同社オンラインストアでは税込132万3000円で販売する。
GFX100は、フルサイズセンサー(35mm判)の約1.7倍の面積をほこるラージセンサーを採用した「GFXシリーズ」のフラッグシップモデル。ラージセンサー搭載機としては世界初となる、像面位相差画素を配置した裏面照射型センサーのほか、ボディ内手ブレ補正機構、4K/30fpsでの動画撮影機能を搭載した。センサーは1億200万画素。映像エンジンは、第4世代の「X-Processor 4」を搭載する。
像面位相差画素は378万画素を配置し、AF速度が現行機より最大約2倍高速化されたほか、ポートレート撮影に便利な「顔・瞳検出AF」の精度も向上。顔が横を向いた場合や障害物に遮られた場合でも高い追従性を発揮するという。また、ボディ内手ぶれ補正機構は、最大5.5段の性能を有し、上下・左右の角度ブレに加え、縦・横平行のシフトブレ、回転ブレにも対応する。
4K動画撮影では、ハイエンドシネマカメラで採用が進むセンサーよりも大きいため、高感度性能のみならず、浅い被写界深度や広い階調再現性を実現。また、約5050万画素分の情報量から4K映像を出力するオーバーサンプリングにより、解像力の高い映像表現が可能とする。SDカードへの記録は4K/30fps、10bit 4:2:0。HDMI出力は4K/30fps 10bit 4:2:2となる。
映像フォーマットは、高い圧縮効率の「H.265/HEVC」規格、豊富な階調を残せる「F-Log」モード、HDR映像を撮影できる「ハイブリッド・ログ・ガンマ(HLG)」規格に対応。さらに、富士フイルム独自の「フィルムシミュレーション」には、同社映画用フィルムの色・階調を再現した「ETERNA(エテルナ)」モードを搭載する。静止画では、「16bit RAW」「16bit TIFF」記録も可能だ。
ボディは、各社のフルサイズフラッグシップ機と同じく、縦グリップを統合した正方形のデザインを採用。イメージセンサー、手ブレ補正機構、レンズマウントを連結して一体化するインナーフレーム方式とマグネシウム合金を採用することで高剛性ボディを実現。さらに、95か所にシーリングを施した防塵・防滴性能と耐低温構造も備えている。ラージセンサーやボディ内手ぶれ補正機構を搭載しつつ、各社のフルサイズフラッグシップ機と同等の1400gを実現した。
EVFは、約576万ドット有機ELパネルを採用。非球面レンズを含む5枚の光学ガラスを採用し、ファインダー倍率0.86倍(視野率約100%)を実現。EVFは、「FUJIFILM GFX50S」で採用された着脱仕様となっており、別売のEVFチルトアダプター「EVF-TL1」を装着することで、さまざまな角度に調整しながらフレーミング可能だ。
液晶は、3方向チルト対応の3.2型液晶モニターに加え、2.05型のサブモニターを採用。露出など各種情報の表示を背面サブモニターに集約できる。ボディ上部には、1.8型サブ液晶モニターを搭載。ダイヤルデザインを表示する「バーチャルダイヤルモード」が使用可能だ。
シャッターユニット全体を4つのスプリングで支持し、シャッター時に生じる振動の影響も極限まで抑制するという。バッテリーは、GFX専用の「NP-T125」を2個搭載可能。背面モニター使用時で約800枚の撮影が可能なほか、USB端子からの給電・充電にも対応する。
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