Amazonは、3236機の衛星を打ち上げるプロジェクトを立ち上げ、世界中の人々にブロードバンドインターネットアクセスを提供する計画のようだ。この壮大なプランは現在、初期段階にあるという。
Amazonは米国時間4月4日、「Project Kuiper」というこのプログラムの存在を認めた。GeekWireが最初に報じていた。
Amazonの広報担当者は4日、「Project Kuiperは、地球低軌道の衛星コンステレーションを打ち上げ、インターネットをまったく利用できない、あるいは十分に利用できない世界のコミュニティーに低遅延で高速なブロードバンド接続を提供する新しいイニシアチブだ」と述べた。「これは、ブロードバンドインターネットへの基本的なアクセスが提供されていない膨大な数の人々にサービスを提供することを想定した長期的なプロジェクトだ。このイニシアチブで、同じビジョンを共有する企業と連携していきたい」(Amazon広報担当者)
最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は、設立した航空宇宙企業Blue Originを通じてさらなるインフラを構築するという大きなビジョンを持っている。Kuiperはそうした同氏のビジョンに基づいているようだ。しかしProject Kuiperは、Blue OriginではなくAmazonの取り組みだと広報担当者は述べた。
Blue Originはこれまでに、ブロードバンドインターネット衛星プロジェクトの構築を目指す別の取り組みで、衛星通信事業会社のTelesatと提携している。
インターネットアクセス拡大に向け、大規模に構想された取り組みはほかにもある。Elon Musk氏のSpaceXは、「Starlink」というプロジェクトを進めている。Facebookも「Facebook Connectivity」を通じて、多くの人々にインターネットアクセスを提供する手段を実現しようと取り組んでいる。
Project Kuiperの名称は、天文学者のGerard Kuiper氏にちなんでいるようだ。
このプロジェクトは、多くの人々にサービスを提供するインターネットサービスプロバイダーとなることを目指す競争から取り残されまいとするAmazonの狙いを示しているようだ。また、Eコマース大手であるAmazonは、クラウドコンピューティングやオリジナル番組の制作、ロボット、配達ドローンなどの分野でも成長を見せているが、さらに新しい分野へと事業を拡大する野心があることも見て取れる。
Project Kuiperはまだ初期段階にあり、ブロードバンドサービスが利用可能になるのは何年も先のことだと広報担当者は述べた。
このプロジェクトは、国際電気通信連合(ITU)に提出された書類で明らかになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果