Public Meets Innovation(PMI:パブリックミーツイノベーション)は12月13日、ミレニアル世代を中心とした国家公務員やイノベーター(主にスタートアップ企業の経営者・技術者)らが協働して、イノベーションに特化した政策の立案を目指す社団法人を設立したと発表した。
代表理事は、シェアリングエコノミー協会 政策渉外部長の石山アンジュ氏が務め、理事には経済産業省の小田切未来氏、総務省の田中佑典氏、コンテクストデザイナー/NEWPEACE代表の高木新平氏、一般社団法人at Will Work理事の日比谷尚武氏が名を連ねる。また、アドバイザリーボードとしてメディアアーティストの落合陽一氏や、メルカリ社長の小泉文明氏などが参画する。
近年、AI(人工知能)やブロックチェーン技術などテクノロジーにおける新たな産業がグローバル規模で急速に進展する中、イノベーションに対する法整備などの政策への重要度が増している。一方で、日本のイノベーション政策を推進する環境整備は世界的に遅れていると同団体は指摘する。
また、公共セクターと若い世代のイノベーターとの相互接点が欠落しており、(1)イノベーターの政治・政策接点、情報へのアクセス機会が乏しい、(2)政策プロセスにおいて若い世代のイノベーターの声が届きにくい、(3)政策を担う国家公務員など公共セクターにいる人材のスタートアップ企業や技術者への接点が乏しくイノベーション領域への知見が浅い、(4)公共セクターと民間企業の両者の就業経験を持つトライセクター人材が不足している、といった課題があると説明する。
そこで新団体では、日本が抱える社会課題に対してイノベーションがどのように社会に機能・実装しうるかを考えるコミュニティを通じて、政策を立案するという。具体的には、パブリックセクター(官僚・政治家・弁護士・政策関係者など)とイノベーター(スタートアップやベンチャー経営者、テクノロジー技術者など)がフラットな立場でつながり、交流・相談・議論・コラボレーションが生まれるコミュニティの構築。イノベーターへの法律相談、政策に関する相談窓口の設置などを進める。
また、ミレニアル世代を中心とした新たな視点で、社会課題に対してイノベーションがどのように機能し社会実装しうるかを考え議論し、IT・テクノロジーをはじめとする新技術やアイデアを用いた解決策を提示するとしている。さらに、イノベーション政策や関連テーマに関する情報発信、勉強会やイベント・カンファレンスの開催など、啓蒙活動も積極的に実施するという。
代表理事の石山氏は、「近年、テクノロジーによるイノベーションが物凄いスピードで進展する中で、一昔前の世代では誰も考えてこなかったような新しい視点でのルールや社会の仕組みのアップデートが求められている。私はこれまで、シェアリングエコノミーという新たな産業の政策推進や制度構築に向けて、ベンチャー企業と政府セクターの間で仕事をさせてもらう中で、このルールメイキングや仕組みのあり方を、既存の枠組みに捉われず、皆で考えていく土壌がもっと必要であると感じた。
また、その中心となるのが今後50年を生きるミレニアル世代だ。PMIはイノベータとパブリックを新たな視点でつなぐコミュニティを作り、 “10年後・50年後の当たり前”を提案する。それにより、イノベーションの社会実装が当たり前になるエコシステムの構築、またその先にパブリックな視点をもった新しい次世代リーダーを育成し、未来を担うリーダーを輩出するミレニアル世代のシンクタンクを目指していく」とコメントした。
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