logo

米司法省、選挙への介入容疑でロシア人を訴追

Alfred Ng (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2018年10月22日 11時23分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米司法省は、米国の政治に干渉したとしてロシア国籍の人物を訴追した。捜査員らが3500万ドル(約39億円)の会計記録をたどったところ、ロシアのサンクトペテルブルクに行き着いたという。

 米国時間10月19日に公開された裁判所への提出書類によると、訴追されたのは、「Project Lakhta」の会計責任者を務めていたElena Alekseevna Khusyaynova容疑者。Project Lakhtaは、ロシアによる複数のプロパガンダ活動を指す総称だ。このプロジェクトには、2016年の米大統領選挙に影響を及ぼして政治的混乱を広げることを目的に偽情報を拡散したInternet Research Agency(IRA)も含まれる。

 ロシア人が米大統領選に干渉した疑いで起訴されたのは、今回が初めてではない。2月には、IRAに関与していたとされるロシア人13人が起訴された。また7月には米民主党全国委員会(DNC)を標的としたサイバー攻撃に関与したとされるハッカー12人が起訴されている。

 米当局やテクノロジ企業は、ロシアや中国、イランなどの国家による選挙への干渉に対処しようとしてきた。これらの国家は、サイバー攻撃以外に、ソーシャルメディアを利用し、プロパガンダを広めている。FacebookやTwitterは積極的にこうした動きを阻止しようとしている。

ロシアによるFacebook上のプロパガンダの例を示すPatrick Leahy上院議員
2017年10月、公聴会でロシアによるFacebook上のプロパガンダの例を示すPatrick Leahy上院議員
提供:Drew Angerer/Getty Images

 検察当局によると、Khusyaynova容疑者はProject Lakhtaの資金を管理しており、2016年1月〜2018年6月の間に3500万ドル以上の予算を処理していたという。このプロジェクトが2018年1月〜6月に計上していた予算は1000万ドル(約11億円)を超える。書類によると、Project Lakhtaは2016年に1200万ドル(約13億5000万ドル)、2017年に1220万ドル(約13億7000万ドル)を支出したという。

 これらの資金は、米国でソーシャルメディア上のプロパガンダを通じて偽情報を拡散することに使われた。こうした取り組みの中には、Twitterアカウントの作成、Facebookに投稿するトロール(ネット上で偽情報や扇動的な情報を拡散する人々)への支払い、検索エンジン最適化やグラフィックスなどの後方業務が含まれる。

 裁判所への提出書類の記載によると、Khusyaynova容疑者は過去3年にわたり、ロシアによる偽情報の拡散活動に関する支出や予算要求を細部にわたって記録していたという。2018年1月〜6月の期間、Facebook上の広告に対する要求額は合計6万ドル(約670万円)、Instagram上の広告への要求額は合計6000ドル(約67万円)に達したと書類には書かれている。

 同期間、ロシアのトロールはさらに多くのTwitterアカウントを作成するために1万8000ドル(約200万円)を要求した。書類によると、これらの者たちは、移民、銃規制、人種対立、LGBTの人権、ネット中立性などの問題を中心に偽情報を広めたという。ロシア人らはまた、ネバダ州ラスベガスでの銃乱射事件やバージニア州シャーロッツビルでの「Unite the Right」集会など、全米でニュースになった出来事を受けて議論を扇動した。

 内部資料によると、これらの活動の狙いは「マイノリティとその他の国民との対立を効果的に煽る」ことだったという。

 Facebookは、同サイト上でロシアの扇動者らが政治目的の広告を購入できないようにすると確約したが、裁判所への書類によると、国家の意を受けた者たちは、代わりに米国民に行動させることで法の抜け穴を見出したとみられる。

 2017年7月2日のやり取りでは、ある扇動者が「Helen Christopherson」という偽名を使って米国の団体にメッセージを送り、「自分の広告アカウントには80ドル(約9000円)ほどあるので、ワシントンD.C.の近辺で1万人ほどにリーチできる。これは本当に大きなことだ!」と記している。

Helen Christophersonを名乗る者が米国の団体に広告を提案した
Helen Christophersonを名乗る者が米国の団体に広告を提案した
提供:Justice Department

 このワシントンD.C.へのターゲット広告は、推定2万9000〜5万8000人にリーチできたと見込まれている。

 2017年7月4日の別のやり取りでは、「Bertha Malone」を名乗るアカウントの持ち主が、「Stop A.I.(All Invaders)」(あらゆる侵略者を阻止しよう)ページの運営支援を別の米国人に求め、説得に成功している。チャットログの最後に、米国人ユーザーはロシアの扇動者に「あなたを信頼している」と述べていた。

 司法省によると、同省の捜査チームはこの件でFacebookとTwitterから「異例の協力を得た」という。

 Facebookの広報担当者は声明で、「選挙への干渉に対処するには、政府や民間企業の協力が必要だ」と述べた。

 Twitterにもコメントを求めたが、すぐに回答は得られなかった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]