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企業が管理するのは労働ではなく健康--CRAZYが睡眠報酬制度を導入した狙い

佐藤和也 (編集部)2018年10月10日 09時00分
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 ウエディング事業を展開するCRAZYは10月9日、福利厚生制度の一環として、社員の睡眠に対して報酬を支払う「睡眠報酬制度」を、10月10日から導入すると発表した。スマートフォン向けのアプリを活用し、睡眠時間を計測し可視化。生活習慣の改善と健康促進、生産性の向上を狙う。この取り組みには、寝具メーカーのエアウィーヴも協力する。

 この制度は、エアウィーヴが開発したスマホアプリ「airweave Sleep Analysis」を使用し、睡眠時間を計測。6時間以上の睡眠を達成した日数に応じてポイントを付与するというもの。1週間のうち5日以上達成で500ポイント、6日で600ポイント、7日で1000ポイントとなるほか、睡眠時間にかかわらず1カ月間毎日計測した社員には、皆勤賞として1000ポイントを付与。ポイントは100ポイントを100円分とみなして、オフィス内の食堂やカフェで利用可能という。

アプリ「airweave Sleep Analysis」
アプリ「airweave Sleep Analysis」
睡眠報酬制度の概要と報酬
睡眠報酬制度の概要と報酬

 エアウィーヴはairweave Sleep Analysisによる睡眠データの計測・提供のみならず、制度構築のための専門知識の提供や睡眠セミナーの開催、睡眠パッドを特別価格で購入可能とするなど、快適な睡眠環境のサポートもあわせて行う。

企業が労働ではなく、健康を管理する時代

 CRAZYは2012年の創業当初から、自然食のランチを全社員に毎日提供する制度をはじめ、会社に属しながら長期休暇が取得でき、旅行を推奨するグレートジャーニー制度など、意欲的な福利厚生制度を導入。経営の第一優先に健康を置く“健康経営”を行っているという。

CRAZY代表取締役社長の森山和彦氏(左)と、エアウィーヴ代表取締役会長兼社長の高岡本州氏(右)
CRAZY代表取締役社長の森山和彦氏(左)と、エアウィーヴ代表取締役会長兼社長の高岡本州氏(右)

 CRAZY代表取締役社長の森山和彦氏は、これまで長く続いた決まった場所と時間による労働の形から、近年はデバイスの進化などによって労働時間や場所にとらわれない働き方ができるようになり、労働の形、そして定義が変わってきていると指摘する。

 「これまでの労働管理のやり方が通用しなくなっている。クリエイティビティが重要だと言われる社会環境だからこそ、マネジメントという概念を大きく変えていかなければいけない」と語りつつ「企業が労働ではなく、健康を管理する時代がくる」とし、睡眠報酬制度の背景を説明。実際に7月からトライアルを行い、睡眠時間の確保に効果があったことから導入を決めたとしている。

実施したトライアルの結果
実施したトライアルの結果
こちらは、睡眠時間が短い状態が続くと、本人が眠気を感じなくてもミスが出やすいことを示すデータ
こちらは、睡眠時間が短い状態が続くと、本人が眠気を感じなくてもミスが出やすいことを示すデータ

 期待する効果としては、個人の健康に紐づくパフォーマンスの向上や、より自由で多様な働き方の実現のほか、新たなインセンティブ制度を通した社会実験そのものもあるとした。そもそも睡眠はプライベートの領域にあるもの。そのプライベートに対し、インセンティブによって行動を誘発することが、今回の制度の画期的なところだと森山氏は説明する。

 また、デバイスの進化で生活に入り込んだ存在になったがゆえ、ある意味では自宅でも夜にメールのチェックや送信ができるなど、仕事もプライベートに入り込んでいる環境があると指摘。プライベートでは管理が難しいとして終わらせるのではなく、マネジメントが進化するなかで睡眠報酬制度をきっかけに議論を進めたり、いろんな考え方が更新されることを期待したいとした。

 エアウィーヴ代表取締役会長兼社長の高岡本州氏も登壇。同社が睡眠のソリューションカンパニーとして、これまでも睡眠の研究や寝具の展開、快適な睡眠の啓蒙活動を行っているなか、今回の取り組みは一歩踏み込んだものと説明。実際に両社のスタッフが議論と実験を重ねて、制度の導入に至ったという。今後睡眠報酬制度を導入する第2、第3の企業が現れた際にも、データのフィードバックなどができるようにしていきたいとした。

 

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