ビズリーチが「創業者ファンド」を設立--採用コンサルや転職サイトも無償提供

 ビズリーチは10月11日、創業からまもないスタートアップ経営者を支援する「ビズリーチ 創業者ファンド」を組成し、その投資第1号案件としてRevCommに出資したことを発表した。あわせて、専用サイトで支援を希望する企業を募集する。

ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎氏(右)と、投資第1号案件に選ばれたRevComm代表取締役の會田武史氏(左)
ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎氏(右)と、投資第1号案件に選ばれたRevComm代表取締役の會田武史氏(左)

 創業者ファンドでは、出資先企業(創業者)に対して資金面の支援をするだけでなく、同社代表取締役社長の南壮一郎氏を中心とした経営メンバーが、創業期の“経営チーム”組成に向けた採用活動のコンサルティングをする。さらに、即戦力人材に強みを持つ転職サイト「ビズリーチ」や、20代向けの転職サイト「キャリトレ」などを無償で提供することも特徴だ。

 出資規模は、シードラウンドのマイノリティ出資となり、子会社などではなく同社が直接投資する。主な出資対象はBtoB領域の企業で、企業の生産性向上をテクノロジで促すSaaS型の事業者や、AIやブロックチェーンなどの最新技術を手がける事業者など、幅広く支援するとしている。出資先企業のプロトタイプをビズリーチ社内でテスト利用し、フィードバックするといった支援もするという。

日本のスタートアップ支援の“文化”を変えたい

 実は同社では6年近く、採用戦略を見直したい企業や、ダイレクトリクルーティングに興味のある企業向けに、毎月採用セミナーを開催しており、その中で南氏は自身の経験談なども交えながら経営チームの重要性を説いているのだという。すると、参加者の多くが転職サイトのビズリーチなどを通じて経営チームを主体的に探すようになり、その結果として事業が軌道に乗るといった成功事例も見てきたという。

 南氏は、多くの企業が創業期から成長初期の間に、「資金調達」と「人材採用」という2つの大きな壁に直面すると説明。創業者ファンドでは、2009年の創業から9年間にわたり、9100社以上の企業の採用をサポートしてきた同社のノウハウや転職サイトなどを無償で提供することで、創業まもないスタートアップ企業の経営チームの採用を支援し、事業の成長を支えたいと思いを語る。

「ビズリーチ 創業者ファンド」
「ビズリーチ 創業者ファンド」

 「ファンド立ち上げのきっかけは、自らの原体験。自分自身も会社を作る上で、経営チームの組成には苦しんだ。また、いろいろな若手経営者と話す中で、最も意識改革すべきことは採用だと感じた。私も過去にアドバイスをしていただいたように、恩返しをしたい」(南氏)。

 なお、投資第1号案件であるRevCommは、音声解析AI搭載型のクラウドIP電話「MiiTel(ミーテル)」を始めとする営業ツールを提供する企業だ。南氏がRevComm代表取締役の會田武史氏と初めて出会ったのは5年前。會田氏が前職を退職する際に、南氏に出資を頼んだことがきっかけだったそうだが、当時はビジョンが明確でなかったことから断ったという。その後、會田氏が南氏から与えられた「優れた経営チームを作る」という課題を乗り越えたことから、今回の出資や支援に至ったのだという。

AI搭載型のクラウドIP電話「MiiTel(ミーテル)」
AI搭載型のクラウドIP電話「MiiTel(ミーテル)」

 南氏は、このファンドの活動を通して、日本におけるスタートアップ支援の“文化”を変えたいと話す。米国の大手VC(ベンチャーキャピタル)では、すでに5年以上前からファンド内にプロリクルーターを入れ、出資先企業の採用コンサルティングや広報PRまで面倒を見るのが当たり前の状況になっているからだという。転職サイトなどで培った知見を生かして、こうした企業支援文化を日本にも根付かせたいと意気込む。

 「僕らはVCが本業ではないけれど、自分たちでやるとしたらこういう支援内容だよねというモデルケースを作りたいし、それくらい採用が大事だということを証明したい。資金面の投資よりも、支援内容自体を充実させて、より多くのベンチャー企業がスケールするようなロールモデルを生み出したい」(南氏)。

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