Amazon.comの傘下で、ボイスブックや音声コンテンツ制作・配信サービスを手掛けるAudibleは8月28日、月額1500円の聴き放題からダウンロード販売方式へと移行すると発表した。
Audibleは1995年に米国で創業し、日本では2015年7月からサービスをスタートしている。
米国市場に対し、日本ではオーディオブックの認知度が低かったことから、「短いコンテンツを多めに入れて、耳を慣らすところから始めたほうがいいと思った。お客様の声を聞き、データを見ながら、よりお客様が欲しいものを提供できるかを3年間考えてきた。このタイミングで米国と同じモデルに足並みをそろえ、プレミアムなコンテンツに注力していける体制をつくった。大きな変化だと思っているが、決断した」(Audible 日本事業統括の逢阪志麻氏)と説明した。
この移行により日本においても、米国、英国、ドイツ、オーストラリア、フランス、カナダと足並みを揃え、大幅にコンテンツが追加される。これにより、日本最大級のボイスブックサービスになるという。
これまでAudibleは、会員限定の定額制「聴き放題」サービス(月額1500円)を展開してきたが、「コイン制」へと移行。会員以外もタイトルの単品購入が可能になった。
なお、コイン制の会員特典では、タイトルの価格に関わらず任意のタイトルを購入できる「コイン」が毎月1つ付与される。また、会員であれば購入してから365日以内であればコンテンツの返品交換ができる。会員限定の割引も用意しており、会費に変更はない。
朴璐美氏が朗読する「君の名は」(新海誠:3000円)や田中麗奈氏と中村蒼氏の朗読による「悪人」(吉田修一:4000円)「菊次郎とさき」(ビートたけし:3500円)、「イニシエーション・ラブ」(乾くるみ:3500円)など、大ヒット映画作品や、「下町ロケット」(池井戸潤:3500円)などの人気小説を含めた400タイトル以上を一斉に追加。国内タイトルには、杏、早乙女太一、田辺誠一、城田優氏らをはじめ、数多くのナレーターを起用している。
さらに会員は追加料金なしで、ビジネスブック、落語、瞑想、英語ニュース記事といったコンテンツを聞ける「Audible Station」を利用可能だ。
Audible Stationの目玉として、伊集院静氏と阿川佐和子氏を番組のホストに据え、ビートたけし、大沢在昌、桐野夏生、北方謙三、花村萬月、桜木紫乃、角田光代などの有名作家をゲストに迎えた鼎談(毎月更新予定)をが聴取できる。
同社によると、英語のほか38カ国語のAudibleコンテンツ20万タイトル以上が新たに追加された。これまでのKADOKAWA、文藝春秋、講談社といった出版社に加え、移行後は新しく小学館、早川書房、幻冬舎を加えた出版社の作品も楽しめるようになっている。
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