「ルミネス」や「Rez Infinite」などを手掛けたクリエーター、水口哲也氏が率いるエンハンスの新作として開発が進められている、パズルゲーム「テトリス」をテーマにした「TETRIS EFFECT」。PlayStation VR(PS VR)に対応するPS4用ソフトとして、2018年秋に発売する。
世界Tetrisの日(ワールド・テトリス・デイ)で、誕生から34周年を迎えた6月6日(米国時間)にタイトルを発表。水口氏を筆頭に、開発陣の多くはRez Infiniteを手掛けたクリエーターとなっている。
内容自体は広く知られているテトリスと同様。上から落ちてくるテトリミノと呼ばれるブロックピースをうまく積んでいき、横1列がそろうと消えていく。テトリミノをストックしたり、取り出したりすることも可能となっている。
このほか「ゾーン」と呼ばれる独自のシステムも搭載している。テトリミノを消していくとゲージがたまり、MAXになると任意で発動可能。時間が止まったように、テトリミノの自然落下がストップ。ピンチのときに切り抜ける切り札となるほか、このとき横一列そろったラインはすぐに消えず、終了時にまとめて消えるシステムとなっている。
そして特徴的なのは音と光、そしてグラフィックだ。幻想的な空間で、操作やテトリミノの落下などプレイに連動したサウンドやエフェクトが発生し、ステージが切り替わると背景などのデザインもがらっと変化する。
今回、筆者は4K解像度のディスプレイとPS VRの両方で体験したのだが、4Kであれば光のパーティクル(粒子)が綺麗に表現されており、美しい映像を見て楽しめる。またPS VRであれば外界と遮断した状態となるため、ゲームの世界に没頭できる。開発中のデモ版であるため短い時間で区切りが付けられたのだが、時間を忘れてプレイし続けられるぐらいに入り込んでいた。映像と音と光が織りなす快感と、感情をゆさぶる感覚を言葉にすることが難しいものの、どこかルミネスやRez Infiniteに通ずるところがある。「誰もが遊んだテトリスで、誰も体験したことがないテトリス」であり、価値観が変わってしまうぐらいの感覚を感じたというのが、率直な感想だ。
水口氏によれば、本作の構想は十数年前から描いていたという。テトリスについては「完成されているゲームだけに、何を加えるか、そしてどのように進化をさせるのが難しく、そこに挑もうとする人はなかなかいない。それだけに、僕としてはすごくやりたい題材だった」と語る。
テトリスカンパニーのヘンク・ロジャース会長とは昔からの友人とのことで、対話を通じて5、6年前からプリプロダクションとして、音や映像のイメージを作っていったという。そしてRez Infiniteの開発が一段落した1年半ぐらい前から、本格的な開発に取り組んだと振り返る。
PS VRの対応について、現在のVRデバイスが長時間装着すると疲れを感じてしまうことから、短時間で遊べるコンテンツが多く、インパクトが強くハイテンションになれるものが主流としたうえで、「すぐに疲れを感じるようなものばかりなので、全然疲れないような、ゆっくりとリラックスして楽しめるものもあったほうがいいと思った」とも語った。
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