北朝鮮政府関与のマルウェア「TYPEFRAME」に米国が注意喚起

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2018年06月19日 11時42分

 米コンピュータ緊急事態対策チーム(US-CERT:United States Computer Emergency Readiness Team)が、新たに発見されたマルウェア「TYPEFRAME」に関して、ユーザーと管理者に注意を呼び掛けている。これは北朝鮮のハッキンググループ「HIDDEN COBRA」(別名:Lazarus Group)によるものとみられている。

 US-CERTが作成したTYPEFRAMEに関する報告書は、「Windows」の実行ファイルや、悪意のある「Visual Basic」マクロが埋め込まれた「Word」文書など、11件のマルウェアを特定している。

 「これらのファイルは、マルウェアをダウンロード、インストールし、プロキシとリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)をインストールできる。そして、コマンド&コントロール(C&C)サーバに接続して攻撃者からの指示を受け取ったり、ユーザーのファイアウォールを変更して外部からの接続を許可したりできる」と、報告書は述べている

 US-CERTは5月に、HIDDEN COBRAのマルウェア「Joanap」と「Brambul」についてアラートを公開した。これらのマルウェアはメディア、航空宇宙、重要インフラなどの分野の企業から情報収集をする狙いで、2009年以来利用されている。

 研究者らは、猛威を振るった「WannaCry」ランサムウェアバングラデシュ中央銀行からSWIFTを通じて8000万ドル盗みとったサイバー攻撃、そして2014年のSony Pictures Entertainmentのハッキングも、HIDDEN COBRAが背後にいる可能性があるとみている。

 TYPEFRAMEは、US-CERTがHIDDEN COBRAグループに関連付けた12番目のマルウェアとなり、ほかにも破壊的影響力のあるマルウェアや、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃を仕掛けるツールなどが見つかっている。

 US-CERTが2017年12月に発見し、2018年3月に再浮上したマルウェアインプラント「Bankshot」もHIDDEN COBRAによるものとみられている。このRATは、トルコの金融業界を標的に、「Adobe Flash Player」の脆弱性を埋め込んだ悪意のあるWord文書を使って、フィッシング攻撃を仕掛けたとされる。

 北朝鮮のハッカーが開発したと考えられているこの脆弱性は、韓国を狙ったゼロデイ攻撃でも悪用されたとみられている。

 US-CERTは、TYPEFRAMEに関連したすべての攻撃活動に対する「緩和策の強化を最優先」するよう、管理者とユーザーに呼び掛けている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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