「Alexa」、家庭での私的な会話を連絡先に誤送信--米国で事例発生

Ry Crist (CNET News) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ) 編集部2018年05月25日 11時51分

 自宅でくつろぎながら、堅材の床の長所について話し合っていると、連絡先から電話があり、ハッキングされていると告げられた。

 Amazonの音声アシスタント「Alexa」が、連絡先の1つにプライベートな会話の音声を送ったと報じられた後、オレゴン州ポートランドに住むある一家は自身の体験をこう説明している。知らないうちに送信されたという。

 この一家は、音声コマンドを使って照明や冷暖房空調設備、セキュリティシステムを操作するため、家じゅうにAlexaデバイスを置いていた。すると、父親の仕事関係の連絡先から電話があり、フローリングに関するプライベートな会話の音声をAlexaが電話で相手に送ったことを知らされたという。Alexaに電話をかけるよう指示はしていなかった。

提供:Ry Crist/CNET
提供:Ry Crist/CNET

 「裏切られた気分だ」と妻のDanielleさんは述べる。「プライバシーが完全に侵害された。『もう信用できないから、二度とデバイスの電源を入れない』とすぐに決めた」(Danielleさん)。

 Danielleさんによれば、Amazonのエンジニアリング部門に問い合わせたところ、実際に音声が誤って配信されていたことが確認できたという。

 Danielleさんは地元のニュースネットワークKIRO 7の取材で次のように語った。「『エンジニアがログを調べたところ、おっしゃっていたとおりでした。おっしゃっていたとおりのことが起きたのを確認しました。申し訳ありません』と言われた」

 「担当者は、30分くらいの間に15回ほど謝罪し、『連絡を頂き、感謝しています。これは直す必要があります!』と言った」(Danielleさん)

 DanielleさんによるとAmazonは誤送信の具体的な原因を特定できなかったらしいが、Amazonはその後の米CNETの取材に対し、Alexaが聞き間違えでウェイクワードを認識してしまい、さらに誰かに電話をかけるための指令を誤って聞き取ってしまい、最後に(Alexaがユーザーの意思を正しく理解していることを確かめるための)確認でも第3の聞き間違えが発生してしまったことを明らかにした。

 「一家の会話中に『Alexa』と聞こえる音声があり、Echoが起動した」と広報担当者は米CNETに述べた。「その後の会話に『メッセージ送信』のリクエストに聞こえる音声があり、Alexaが『誰に送りますか?』と応答している。そして家族の会話が、顧客の連絡先リストの名前を言っているものと認識され、Alexaが「[連絡先の名前]さんですね?」と応答したが、さらに家族の会話を『はい』と聞きとってしまった。今回はこのような事態に発展してしまったが、このような例を減らすよう、選択肢を検討している」(同広報担当者)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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