スタンフォード大学の研究チームは、曲がり角に隠れて見えない物体の形状などを認識する技術を開発した。レーザー光線を照射し、その反射光を解析することで角の陰にある物体の存在を把握できるという。
このシステムは、人間の目に見えないレーザー光パルスを壁に照射し、それが陰に隠れている物体に当たり、さらにもう一度壁に当たって戻ってくる光をとらえる。反射光をとらえるセンサの感度は極めて高く、光子1個を検出できるほどだという。このスキャン処理で得た反射光データを解析すると、物体の形状や標識に書かれた文字などの画像を生成できる。
研究チームは、自動運転車が角の陰に隠れている子どもを早い段階で認識して適切な対応をする、という目的にこの技術が使えるとしている。また、人命救助にも応用可能とみる。
このシステムは、レーザー光によるスキャン処理が完了すれば、その後の解析処理はノートPCでも1秒もかからず終えられる。ただし、現在はスキャン処理に2分から1時間もかかってしまうので、まだまだ改善が必要だ。
研究チームは今後も開発を続け、スキャンと解析にかかる時間の短縮を目指す。さらに、明るい環境でも物体を認識できたり、跳ねるボールや走る子どもを判別できたりするよう改良し、実際の道路でも使えるようにする予定。
なお、マサチューセッツ工科大学(MIT)では、陰にある物体の存在を、レーザー光を照射せず環境光だけで認識する技術を研究している。
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