米連邦通信委員会(FCC)のネット中立性規制の撤廃を目指すAjit Pai氏の計画に対して、著名人たちが批判の声を上げた。
インターネットなどのコンピュータ技術の先駆者たちが米国時間12月11日、FCCに対して、今週予定されている採決を中止するよう求めた。この採決によって、FCCはインターネットトラフィックを差別から保護するために制定されたネット中立性規制を廃止する見通しだ。
Tumblrに投稿された公開書簡には、「あなた方はインターネットの仕組みを理解していない」と書かれている。この書簡には20人を超えるテクノロジ分野の第一人者が署名し、「インターネットの父」として知られるVinton Cerf氏や、Appleの共同創業者のSteve Wozniak氏、ワールドワイドウェブ(WWW)を発明したTim Berners-Lee氏などが含まれる。
「FCCは何の代替策もなしにネット中立性保護の撤廃を求め、技術的な誤った性急な命令を提案している。この命令は、われわれが必死で作り上げてきたインターネットに対する差し迫った脅威である。これは阻止されるべきだ」(同書簡)
同公開書簡に関してFCCにコメントを求めたが、すぐに回答を得ることはできなかった。
ネット中立性とは、インターネット上のトラフィックはすべて平等に扱われるべきという原則のことだ。2015年に制定された現行規制の支持者たちは、この規制のおかげで、ブロードバンドプロバイダーがインターネットの門番として権力を乱用するのを防ぐことができる、と主張する。ブロードバンド各社はPai氏の計画を支持しており、現行規制は高圧的であり投資に悪影響を及ぼす、と述べている。
2017年に入ってFCCの委員長に就任したPai氏は、それらの規制の根拠となる法的枠組みに反対している。
FCCは12月14日、2015年の命令を無効にする提案について、採決を行う予定だ。
具体的には、この提案が採択されれば、ブロードバンドプロバイダーやワイヤレスプロバイダーがインターネットへのアクセスを速度制限したりブロックしたりすること、そして、インターネット企業に対して、競合他社より速く顧客にリーチしたければ料金を支払うよう求めることを禁止する規制が撤廃される。
今回の公開書簡は、宛名に4人の連邦議会議員を挙げており、問題の提案自体が「インターネット技術に対する、事実を誤認した間違った理解」に基づいていると批判している。
同書簡はFCCについても、この提案に関する公開会議を開かなかったことと、FCCのオンラインコメントシステムが正しく機能していないことを非難した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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