集めたパーツをもとに、ステンシル(基板にはんだを塗る)から梱包まで、すべての作業を國舛氏と稲田氏の自宅で手がけている。生基板にはんだを付ける作業では、「温度管理ができて温めた後に冷ませる設備さえあれば良い。中国や日本の基板屋では、長いトースターのような設備があって、基板と部品をはんだ付けしている」ということから、JavaSparrowでは、稲田氏宅のトースターを使って1日20~30個のペースではんだ付けしている。
同氏の自宅は部材の山ができており、海外で加工したガラス部品は、実家から細切れに送ってもらっているという。「まさしく、“Assembled by 僕たち”です」と稲田氏は答える。
全体的に“ゆるさ”が伝わる製作現場だが、超小規模ゆえにできる効率化の一種だという。通常、工場のラインで一度組み立てを開始すると、仕上げまでラインを止めることはできない。一方、2人しかいないメーカーなので、「午後に箱を組み立てよう」「基板10枚に部品を載せよう」「5枚の基板をレンジで“チン”しよう」など、柔軟に製作を進められるという。
なお、両氏ともにCerevoでプロダクトマネージャーの経験を持っている。稲田氏は、「工場で作るとなると、物を見せたり工程表を作成したり、人員を確保したりとプロダクトマネージャーの経験から大変さがわかる。今のスタイルは非効率に見えて実は効率的」と語る。
また、いざ大量生産が必要になった場合でも量産できる下地はそろえてある。工場で利用できる設計データを用意しているほか、パーツも市場に流通している一般的なものだという。ただし、1日に1万台売れる性質の商品でもないため、取扱商品数が増えてリソースが足りなくなるタイミングまで、当面はこのスタイルを続けるようだ。
そんなwesignの価格は、ペアセットで税込3万240円。設定済Wi-Fiルーターを同梱したセットは税込3万5640円となっている。
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