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パラスポーツを最新技術による演出で“自分ごと化”する「サイバーボッチャ」

佐藤和也 (編集部)2017年08月24日 11時03分
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 ワン・トゥー・テン・ホールディングスは8月23日、パラスポーツ「ボッチャ」をテーマに、最新のデジタル技術を活用し“サイバースポーツ”として展開するプロジェクション&センシングパラゲーム「CYBER BOCCIA(サイバー ボッチャ)」を披露した。

「サイバー ボッチャ」のデモプレイより
「サイバー ボッチャ」のデモプレイより

 ボッチャは、重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のためのスポーツとして、欧州で考案されたもの。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、それぞれ6球ずつ持っている青と赤のボールを投げ、ジャックボールにいかに近づけるかを競うスポーツとなっている。パラリンピックの正式種目にも採用されており、2016年にリオデジャネイロで開催されたパラリンピックでは、日本代表チーム「火ノ玉JAPAN」が初のメダルとなる銀メダルを獲得。2020年に東京で開催されるパラリンピックでも競技種目のひとつとして実施予定となっている。

ボールを投げたり転がしたりして、ジャックボールに近づける
ボールを投げたり転がしたりして、ジャックボールに近づける

 サイバーボッチャは、通常のボッチャにセンシング、データビジュアライズ、サウンドによる演出を加え、エンターテインメント性を高めたもの。通常の半分となる3m×5mのコートを舞台に、ボールの位置をリアルタイムでセンシング。ジャックボールとの距離をミリ単位で自動計測し、コートに表示する。ルールはボッチャと同じで、投げるボールも専用のものではなく、通常の競技で使用されるものが使える。ゲーム進行や演出、ルール説明もプロジェクション映像によりコートに表示させ、点数も自動計算されるなど、進行役となる審判がいなくてもプレイができる。

リアルタイムトラッキングとプロジェクション技術で、見た目のカッコよさをコートで表現
リアルタイムトラッキングとプロジェクション技術で、見た目のかっこよさをコートで表現

 ボールの位置やゲームの状況に応じてリアルタイムに変化するグラフィックシステムにより、ボッチャの戦略性をデータビジュアライズ。サウンドもメロディやSEなどがリアルタイムで生成するシステムを活用し、1投ごとにサウンドが重なるような形で流れ、戦局に応じて変化するなどして戦いを盛り上げる。このように、ボッチャの競技進行をわかりやすくするとともに、“かっこいい雰囲気”を加えたものがサイバーボッチャとなっている。

パラスポーツの“自分ごと化”できていない課題をデジタル技術で解決

 ワン・トゥー・テンは、パラスポーツにデジタル技術をかけあわせ、エンターテインメント性を高めたうえ、純粋なデジタルスポーツとして楽しむことができる「CYBER SPORTS」プロジェクトを展開している。第1弾として、ヘッドマウントディスプレイを装着し車椅子レースを楽しく体験できる車椅子型VRロードレーサー「CYBER WHEEL」を開発。サイバーボッチャはプロジェクトの第2弾となっている。パラスポーツは体験会の実施機会が少ない上にインストラクターも不足しているため、一般の人が体験する場がほとんどなく“自分ごと化”できていないことが課題。その解決と普及に向けたプロジェクトとなっている。

「CYBER WHEEL」
「CYBER WHEEL」

 ワン・トゥー・テン代表取締役社長 CEOの澤邊芳明氏は、近年においてボッチャを含むパラスポーツがメディアに取り上げられる機会も増え、理解と認知度は向上しているものの、競技のファンになり、会場に足を運んで観戦するまでにはいたっていないと説明。特に3年後には東京でのパラリンピック開催を控えていることもあり、このままでは客席が埋まらない状態になるといった危機感が開発の背景にあるとした。

ワン・トゥー・テン代表取締役社長 CEOの澤邊芳明氏(中央)
ワン・トゥー・テン代表取締役社長 CEOの澤邊芳明氏(中央)

 澤邊氏は、ボッチャが障がいの有無はもとより、老若男女が誰でもプレイできるものであり、なおかつ高い戦略性とゲーム性を持っていることから「ダーツやビリヤードと同じようなバースポーツに成りうる。ド派手でクール、かっこいいものにしたら遊びたいと思ってくれるのでは」とし、“デートで使えるボッチャ”をコンセプトとして開発を進めたという。

 今後は企業やスポーツイベントでの使用、アミューズメント施設やバーなどの飲食店への導入を図り、販売目標として100台を掲げる。販売価格は600万円(税別)となっているが、リースやレンタルにも対応。より小さいコートサイズに対応するなどのカスタマイズも検討し、導入しやすいプロダクトに発展させていきたいとした。利益については10%をボッチャ協会に寄付し、選手強化の支援にあてるとしている。

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