ディー・エヌ・エー(DeNA)は8月9日、2018年3月期第1四半期の連結業績を発表した。売上収益は364億5500万円(前年同期比4.8%減)、営業利益は63億9600万円(同13%減)、四半期の最終利益は53億2200万円(同3%増)となった。
四半期ベースで見ると、前四半期から売上収益は4%増、営業利益(IFRS)は42%増となっているが、季節変動の大きいスポーツ事業を除くと、売上収益は337億円から301億円と11%減、Non-GAAP営業利益は72億円から52億円と28%減となっている。
主力のゲーム事業は、前四半期の274億円から243億円と11%減。ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏は、前四半期は新作タイトルのリリースや主力タイトルが好調に推移したことから、今四半期は期初の見通しに沿った実績になったことを説明。第2四半期は内製の主力タイトル「逆転オセロニア」のプロモーション展開や、新作タイトル「歌マクロス スマホdeカルチャー」のリリースなどもあり、どちらも好調としている。また任天堂との協業施策についての新情報はないとした。
EC事業は、売上収益が前四半期の45億円から40億円へ12%減、営業利益は7億円から5億円の赤字となった。営業利益の赤字については、DeNAトラベルの一部取引に係る原価計上漏れなどの修正を行い、8億7200万円の費用処理を行ったためとしている。
スポーツ事業はプロ野球がシーズンインしたことにより、今四半期の売上収益は63億円(前年同期比16%増)、営業利益は22億円(同25%増)。横浜DeNAベイスターズの主催試合における平均観客動員数は年々増加し、2017年シーズンは前半戦38試合終了時点で2万7000人を超え過去最高。一方で球場の収容人数が約2万9000人であることから、増築・改修による約3万5000人への増席を計画。2020年シーズンはじめまでの完成を目指して準備を進めているという。
今回の決算説明会で話題となっていたのが、メディア事業における「株式会社MERY」について。小学館とDeNAの共同出資により8月8日付けで設立され、女性向けファッション情報を中心としたデジタルメディアを共同で運営する。以前展開していた「MERY」からは運営体制を抜本的に刷新し、記事掲載に至るまでの作成、編集、校閲などのノウハウが必要な業務に関しては小学館が担当。システム構築やネット上のマーケティングなどのサポートについてはDeNAが中心として、年内でのサービス開始を目指す。
守安氏は基本的な考えとして、サービスの世界観などファンから支持を受けていた良いところはなるべく維持したいということと、記事などコンテンツの作り方には問題があったため、記事作成や編集、校閲などは小学館側が入り、問題がない運営の担保と健全なメディアとして新しいMERYを展開するという。
なお合弁会社の出資比率は、小学館が66.66%、DeNAが33.34%で、DeNA側から見ると持分法適用会社となる。守安氏は合弁会社での展開や出資比率はDeNA側からの提案であることを明かし「小学館側との検討を進めるなかで、核となる編集や記事作成の部分ではDeNA側にノウハウが無く、この事業では得意なところが主体的としたほうがうまくいく可能性が高いと判断した。一方で、システム面やサービスの改善、マーケティングでは我々が得意としている部分もあり、ノウハウを活用できると考えた」と説明した。
なお編集方針、記事作成などの体制などについても質問がおよんだが、詳細を詰めている段階とし「サービス展開前に詳しく説明する機会を設ける」とコメントした。
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