空き部屋シェアリングサービス「Airbnb」を運営するAirbnbと、みずほ銀行、そしてみずほ銀行が投資ファンドのWiLと設立した合弁会社Blue Labの3社は7月25日、日本における民泊の普及などを目的に提携したことを発表した。Airbnbが邦銀と組むのは初めて。
今後は、Airbnbが持つ民泊や旅行の知見、みずほ銀行の顧客基盤、Blue Labの事業創出支援機能を生かして、民泊と親和性の高い事業者の参入を促す。また、みずほ銀行の取引先が保有するお寺や社宅、駅舎などの遊休資産を民泊として活用していく。
さらに、Airbnbがすでに提供している保険に加えて、日本独自の損害保険サービスなども開発するとしている。みずほ銀行は、民泊を開始する事業者に物件のリノベーション資金を提供するなど、投融資も検討しているという。2017年度内をめどに枠組みを固め、2018年度からサービスを展開する予定としている。
同日の記者発表会で登壇した、みずほ銀行 常務執行役員の山田大介氏は、6月に民泊新法(住宅宿泊事業法)が成立したことを挙げ、「防災などの観点から空き家をなくすこと、また来たる東京オリンピック、パラリンピックに備えて宿泊施設を充実させること。しかも、遊休資産を稼働させることは社会のためになる。3社に閉じた話ではなく、みずほ銀行の経営資源を生かしながら、いかに住宅宿泊事業を盛り上げるかが焦点になる」と話す。
続いてAirbnb日本代表の田邉泰之氏が、Airbnbの最新の実績を紹介。創業から9年目となる同サービスは世界191カ国で展開しており、日本では2014年ごろから利用者が急速に増えているという。現在は、日本において5万3000件の物件が登録されており、2016年には1年間で約370万人もの外国人観光客が、宿泊や体験のためにAirbnbを利用したとアピールした。
ただし、Airbnbはあくまでも人と人とをつなぐプラットフォームであり、自らコンテンツを生み出すサービスではないことから、「1社だけでは限界がある」と田邉氏は説明。みずほ銀行を始めとする日本企業や自治体と従来以上に連携を強めることで、日本ならではのコンテンツを増やしていきたいと意気込みを語った。
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