NTTドコモは6月26日、外国人旅行者が日本に滞在中に使えるデータ通信専用のプリペイドSIMサービス「Japan Welcome SIM」を7月1日から提供することを発表した。広告を閲覧することで無料で利用できることが特徴だ。対象は20歳以上の外国人旅行者で、言語は英語、中国語、韓国語、タイ語に対応している。
同サービスで外国人旅行者は、訪日前に専用サイトで申し込み(「dアカウント」を取得)、その際に動画広告をみたり、アンケートに答えたりすることで、無料でデータ通信量をチャージすることができる。あとは訪日後に空港内の施設などでSIMカードを受け取り、SIMフリースマートフォンに差し込むことで、ドコモの通信ネットワークを15日間利用できる。ドコモが開発した同社のAPNに接続させる機能によって、煩わしいAPN設定が不要なことも強みだという。
料金プランは、訪日前に自国で対象の広告を閲覧することで無料でデータ通信(128Kbps)を利用できる「プラン0」、128Kbpsのデータ通信を無制限に利用できる1000円の「プラン1000」、受信時最大682Mbpsの高速通信を500Mバイト分利用できる1700円の「プラン1700」の3種類。また、100Mバイトを200円、500Mバイトを700円で追加チャージすることも可能。
無料のプラン0は、10月ごろの提供を予定しているという。チャージされる通信量は、広告動画視聴が10Mバイト、アンケート回答が10Mバイト、アプリインストールが50Mバイト、広告記事の閲覧が10Mバイト。今後は、クーポンや食事・アクティビティ予約、交通・配車、観光スポット送客などによる無料データチャージを検討しているという。当初SIMカードを受け取れるのは、成田空港、羽田空港、関西国際空港、ドコモショップ博多バスターミナル店。
ドコモではパートナーとの協創によって新たな価値を提供する「+d」を推進しており、同SIMサービスにおいても複数のパートナーと事業を展開する。まず、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)とともに広告商品などのメディアを共同開発。DACのアドサーバ「FlexOne」や進行管理ツール「ad-meister」などによって広告配信システムの基盤を構築した。
また、全国に44ホテルを展開する東急ホテルズと組み、宿泊プランのオプションで同SIMサービスを割引価格で予約できるようにする。外国人旅行者は、ホテルの宿泊予約とともにSIMサービスを申し込むことで、空港でSIMカードを受け取ってすぐにデータ通信を利用できる。SIMカードの費用は、宿泊費と合算でホテルで支払える。まずは宿泊者の約7割が外国人というザ・キャピトルホテル東急(東京・永田町)から販売を始めるという。
宿泊予約サイト「Booking.com」とも連携し、Booking.comサイト内で同SIMサービスを案内する。Booking.com経由でSIMサービスを申し込んだユーザーは、Booking.comのサイトやアプリ使用時の高速データ通信料が無料になるほか、100Mバイトのデータ通信量が特典として得られるという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」