不動産賃貸業とは、かけ離れているように感じるAI PETだが、ハウスコムが重視しているのは、顧客とつながるシステムの構築だ。「ハウスコムは賃貸物件を紹介する会社だが、そこの理解を深めてほしいのではなくて、つながりを常に持っていたいという思い。そうしたコミュニティが今後は特に大事になってくると思う。ハウスコムは見え隠れしているくらいがちょうどいい」とハウスコム代表取締役社長の田村穂氏は、AI PETの役割を話す。
その背景には、コミュニケーションこそが、会社のブランディングを高め、顧客と友好な関係を作れる原点だという思いだ。「これだけネットサービスが普及しても、町の不動産屋さんは強い。その理由は、公園の場所、買い物ができる場所、受けられる公共サービスなど“住んだ後”の情報も提供できるから。それもコミュニケーションがなければ提供できないこと」と田村氏は話す。
しかし24時間365日、担当者が顧客に対応し続けることは不可能だ。「そうした人間が対応できない部分を埋める1つがAI。担当者は主役、AIは脇役という組み合わせが、いま一番望ましい形だと思う。AIは膨大な情報の中から、ほしいと思う物件を選び出すことができる。そうした物件をおすすめして、さらに地域の情報を伝えられるなどふくらみを担当者が話すことで、お客様はよりよい物件に出会える」と田村氏はAIを使った今後の展開を見据える。
将来の展開を意識しつつ、AI PETが目指すのは、ペットとの楽しい会話だ。「愚痴を言ったり、自慢したり、となかなか周りの人に話せないようなことを、AI PETに話してみてほしい。そこに思いがけず癒しの言葉が返ってくるとうれしいはず。そういったアプリになりたい」(伊與田氏)。中村氏は「『OK Google』とは違う体験を作りたかった。ニーズありきではなくて、ちょっと話しかけて楽しい気持ちになる。不満を解消するような使い方をしてほしい」と話す。
田村氏は「王様の耳はロバの耳ではないが、そういった不満がいえる相手としても使ってもらえるのはうれしいこと。私たちが目指すのは、賃貸仲介業者ではなくてサービス会社。単にプッシュ営業だけをしていたら、お客様にそっぽを向かれる可能性もある。そうした中で、きちんとしたコミュニケーションを構築し、良いサービスをお客様に今後も提供していきたい」とした。
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