CyberZは6月7日、同社が運営するゲーム動画プラットフォーム「OPENREC.tv」において、動画配信者向け収益プログラム「OPENRECクリエイターズプログラム」の運用に先立ち、同日よりプログラム参加の事前登録受け付けを開始する。また、このプログラムにおいて任天堂と著作物利用に関して合意し、包括的な著作物利用に関する許諾契約の締結を発表した。ライブ配信において、任天堂の著作物を利用したマネタイズが可能となるのは、OPENREC.tvが初めてとしている。
OPENREC.tvは、2014年から始めたスマホ向けゲーム動画撮影のSDK(OPENREC SDK)を拡張する形で、ゲームプレイ動画や実況動画を配信するプラットフォームとして、2015年からサービスを開始。フルHD、60fpsに対応した高画質ライブ配信が可能で、ゲームに特化した運用を行っている。配信者についてもオープンにはせず、登録時に審査を設け一定のクオリティを保つ仕組みを構築しているという。ちなみに、配信権限を保持しているユーザーは約7000人ほどだという。
ほかにも配信スタジオ「OPENREC STUDIO」を設け、配信者の番組出演機会の創出や、自社でもさまざまなジャンルのオリジナル番組を制作。eスポーツイベント「RAGE」を自ら主催するほか、ゲーミングチームのスポンサードや配信者向けのオフ会など、ゲームコンテンツに対するこだわりと、配信者コミュニティを意識した運用している。それらが奏功して利用者は順調に伸び、2017年5月の時点でMAUは140万としている。
OPENRECクリエイターズプログラムは、OPENREC.tvでのライブ配信や動画投稿を収益化することができる配信者向けのプログラムで、7月上旬から開始する。収益の原資になるのは、配信画面上に掲載される広告と、配信者を応援する有料機能「エール」の2つ。広告についてはプログラム開始にあわせてインストリーム広告を導入予定としている。ちなみに、有料サービスの「プレミアム会員」は広告の非表示設定が可能になるという。
配信者には、プールされた原資から、視聴数や獲得したエール数など活動実績に応じて収益を分配する。そのため、獲得したエールを直接受け取る形にはならないという。月ごとに分配金額が決定し、配信者には「OPENRECポイント」として付与。このポイントはサービス内で利用できるほか、任意のタイミングで現金として指定の銀行口座に入金できる。なお、付与されたものではないOPENRECポイントは現金化できない。また月に1度以上の配信を行った場合で収益額の合計が200円に満たなかった場合は、200円分のポイントを付与するとしている。
プログラムの参加条件は日本国内に居住で18歳以上(未成年は、親権者もしくは法定代理人の同意が必要)、OPENREC.tvのプレミアム会員で、なおかつ配信権限を保持していることの4つとなる。
そして前述のように、任天堂と包括的な著作物利用に関する許諾契約を締結。このプログラムに参加した配信者は、任天堂のゲームタイトルによる収益化が可能で、ライブ配信においても対象となる。
またゲームコンテンツに対する権利保護の取り組みについても説明。ゲームプレイ動画や実況動画を配信するプラットフォームに特化していることから、動画配信時にゲームタイトルを必ず選択するようにしており、配信とゲームタイトルを紐づけてシステム的に管理している。メーカーやゲームに規定されているガイドラインとして動画配信が禁止されているタイトルは、タイトル選択時にアラートを出し配信できないようにするほか、不適切なタイトル設定の配信にはユーザーへのアラートや動画の削除など、24時間監視体制を敷き対応しているという。
今回の取り組みについて説明したCyberZ 取締役の青村陽介氏と、CyberZ OPENREC事業部開発責任者の中村智武氏は、OPENREC.tvの展開当初から「ゲーマーに愛されるメディアになることと、ゲーマーが輝ける場の提供を目的として進めてきた」と説明。OPENRECクリエイターズプログラムは、ゲーマーをサポートする施策として展開するという。あわせて著作物の権利を保護する仕組みによって最大限配慮し、動画配信環境の向上を図り、メーカーとユーザー双方にメリットがある形で盛り上げていきたいとした。
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